YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
この記事では、マーク・ワインスタインによる
相場の格言をお届けします。
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そのトレードを始める前、
僕の口座には150万ドル程あった。
だから毎日その10パーセント近く
失っていたことになる。
大ケガをして、
塹壕の中で血を流しながら
死ぬのを待っているような気分だった。
相場は五日連続ストップ安して、
60万ドル以上損してしまった。
五日目、僕は公園に座って、
そこで出会った少女の手をとり、
膝の上に涙をこぼしてしまったのを
覚えている。
ほとんど精神病患者のようだった。
そして、この仕事から
足を洗おうと考えた。
みんなが言っているように、
これまでの数年間
僕が儲け続けてこられたのは、
単に運が良かっただけなのかもしれない
と考え始めた。
(マーク・ワインスタイン)
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投資書籍の中で僕が過去に
最も何回も読み返している書籍は
マーク・ワインスタイン氏は
その中でもインタビューを受けている
伝説のトレーダーです。
にわかには信じ難いことですが
「勝率99%以上の成績を継続した天才」。
そう彼のことを表現する人物もいるくらい
とても優れたトレーダーなのです。
僕はワインスタイン氏を
トレーダーとして心から尊敬しています。
それはなぜかというと、
僕と同じでテクニカル分析を主とした
マルチロジック裁量トレーダーだからです。
マルチロジックとは、
ひとつのロジックではなく
複数のロジックを
常に用いているということです。
それはワインスタイン氏の
次の発言を見れば一目瞭然です。
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チャート、エリオット波動、ギャン分析、
フィボナッチ数列、サイクルズ、センチメント、
移動平均、オシレーター、乖離率、騰落ライン、
プット・コール・レシオ等々を、
それぞれの指標が
どのような時に機能するかを理解しておき、
経験と勘によって使い分ける。
自分自身をシステムにして常に変化させている。
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そのような伝説的なスーパートレーダーの
ワインスタイン氏ではありますが、
すべてが順調だったわけではありません。
2回の大きな失敗を経験しているのです。
1972年にこのワインスタイン氏は
不動産ブローカーをしていた時に
商品先物トレードを始めたそうです。
でも、しばらくして
8400ドルの資金のうち
3日間で7800ドルを失ってしまい
相場からの最初の退場を経験しました。
でもワインスタイン氏はあきらめずに
不動産ブローカーとして得た資金で
再び相場に復帰をしました。
そして順調に資金を増やし続け
わずか数年で100万ドルを達成したそうです。
日本円で考えれば100万ドル超えは
「億超え」だということになります。
でも、その後に2回目の大失敗を
経験してしまうことになります。
その2回目の大失敗した時のことを
「マーケットの魔術師」の中で語っていたのです。
もちろん、その後に大復活を果たし
更に大活躍したトレーダーだったからこそ
名著「マーケットの魔術師」にも
取り上げられているわけです。
何も心の痛みを感じないまま
順調に資金を膨らませれば膨らませるほど
その後に待ち構えている落とし穴は
とても大きなものになります。
もっとも、すべてのトレーダーが
心の痛みと喜びを交互に感じながら
日々のトレードを繰り返しているのです。
苦しい状態を経験しているのは
決してあなただけではないのです。
もちろん、僕自身も
30年以上の経験をしてきても
いまだに心の痛みと喜びを感じながら
日々のトレードを繰り返しています。
心の痛みを感じるからこそ
人は慎重さを保てるわけです。
トレーダーではありませんが
伝説のボクサー、モハメド・アリは
次のような名言を残しています。
「あまりにも順調に勝ちすぎているボクサーは実は弱い。」
トレードには痛みは付き物です。
何も痛みを感じないことは
理想的なことかもしれませんが
痛みがあるからこそ成長できる。
そして、あなただけではなく
あなた以外の誰もが痛みを抱えている。
であれば、
「今後は痛みとどのように
お付き合いをしていくのか?」
その問いに対するあなたなりの答えが
とても重要になってきます。
痛みとは積極的に
友達にはなりたくはないでしょう。
でも、痛みとは
あなたが大きな危険に晒されないように
日頃から注意をしてくれる役割を担っていたり
あなたの成長を促す役割を担っているのです。
耳の痛いことばかり言って
いつも口うるさい親や先生のような
存在でもあるわけです。
痛みにはもちろん大小ありますが
どうせ避けることはできないものです。
ならば、
痛みを避けることを考えるのではなく
痛みとどのようにお付き合いしていくのか?
痛みに対する姿勢を改めることのほうが
賢い選択だと言えるでしょう。
つまり、大切なことは
痛みに含まれる価値と本質を
あなたはどう理解しようとしているのか?
その問いに対するあなたなりの答えが
重要だということです。
まるで
悟りを開くための禅問答のようですが
パラダイムシフト(思い込みの変化)を
起こすためには欠かせない問いでもあるわけです。
特に今、大きな痛みを感じている人ほど
どうか真剣になって考えて頂きたいことです。
僕自身は過去にFX口座を
2回飛ばしたことがあります。
ワインスタイン氏とは違い
僕の場合は立て続けに
2回飛ばしてしまいました。
もしその時に鏡を見ていたなら
頭にカーっと血が上って
茹でダコみたいな真っ赤な顔になって
鼻息も荒く目尻はつり上がっていたことでしょう。
一発、ブン殴られてぶっ飛ばされて
頭にきてコノヤローと飛びかかったところに
モロにカウンターを食らってノックアウト負け。
僕の場合はそんな感じでした。
ああいう無謀な戦いを挑んで受けた痛みは
僕は一生忘れることはありません。
もちろん、その痛みを感じていなければ
その後に必ず同じような痛みを経験することが
きっとあったことだろうと思っています。
実際に痛みとは経験してみなければ
分からないものです。
たとえ泣いても、笑っても、
じたばたしても、逃げても、避けても
それでも起こる物事ならば
受け入れる心の姿勢としては
「ようこそしかない」と
僕は常日頃から思っています。
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