YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
今年2020年は、11月にアメリカ大統領選が予定をされています。
この記事を書いている段階(2020年8月現在)では、トランプ大統領の再選は危ぶまれている状況です。
そのような状況の中ですが、ここ数年のドル円の大局的な流れを分析してみました。
今年2020年の年足ロウソク足は確定したわけではありませんが、8月末時点では陰線で推移しています。
特に今月8月の月足ロウソク足では、1週目と2週目は順調に上昇したものの、後半にかけて下落相場になりました。
まさにドル円相場は8月アノマリー通りの値動きになったということです。
8月単月のドル円の月足ロウソク足は、1998年以降は全23回の中で18回が陰線で終わったということになります。
もちろん、8月は陰線になりやすい理由があります。
その理由は、15日の米国債償還と利払いによる円転の影響によるものです。
アノマリーとは、経験則というような意味ですが、このアノマリーが頭にあれば、来年以降の8月は今までよりも、ずっと優位性が高い判断をすることが可能になるでしょう。
話を年足ロウソク足の話に戻しますが、ドル円は2016年から4年連続で年足ロウソク足では陰線で終わっています。
ちなみに、ドル円相場のここ数年の年足ロウソク足は以下の通りです。
2007年~2008年 陰線
2009年 陽線
2010年~2011年 陰線
2012年~2015年 陽線
2016年~2019年 陰線
陽線なら陽線、陰線なら陰線で、数年間は継続することが多いのですが、これは相場にはサイクルがあるからです。
2007年~2011年の5年間は、下落のサイクルだったというわけです。
2009年は陽線で引けていますが、下落サイクル途上での戻りのタイミングで、たまたま小陽線になったということです。
その後の4年間が買いのサイクルで、そして次の4年が売りのサイクルです。
そして、この年足サイクルが転換する前年の年足ロウソク足には決まって特長があるのです。
といっても普段のチャートでもそうですが、転換前は踊り場足の兆候が出ることが多いのです。
踊り場足とは足踏みしたような状態のロウソク足のことですが、その状態は僕自身の定義付けによるものです。
2006年は踊り場足での陽線で、翌年から5年間の下落が続きました。
2011年は踊り場足での陰線で、翌年から4年間の上昇が続きました。
2015年は踊り場足での陽線で、翌年から下落が続いています。
以上の値動きは、以下のチャートで実際にご確認ください。
参考画像:ドル円/年足チャート
※画像クリックで拡大表示
もちろん、相場に絶対はありませんので、100%の確率で上げ相場への転換を示唆するシグナルがあるとは断言できませんので、エッジ(優位性)の高いシグナルを、我々トレーダーとしては追い掛けていくしかないのです。
トレーダーであれば、誰もが近視眼的な視点でチャートを分析しようと励んでいます。
大局を判断しようとするトレーダーは、実のところそう多くは存在していません。
でも、大局的な判断は、環境認識の基本中の基本ですから、ぜひそういう視点を備えて日々のトレードで成果を上げるようにしてください。
ついでに、ドル円相場ですが、今年2020年の後半相場には少しばかり期待をしています。
なぜなら、アメリカでは11月に大統領選が行われるからです。
4年前の2016年の大統領選では、サプライズ的な要素も手伝ってドル円は急激な上昇相場になりました。
11月から12月中旬までに最安値からは約1か月間で17.472円分の上昇がありました。
つまり、ものすごい大きな値幅が動いたわけです。
これが、どれだけ大きな変動値幅なのか?
それを分かっていただくために、以下のデータを用いて説明しますね。
昨年2019年のドル円は、一年間の中での最安値から最高値までの変動値幅は7.954円でした。
今年2020年の相場は新型コロナウィルスの影響で2月から3月にかけて、VIX(恐怖指数)が上がりました。
その影響で、ドル円も大きく動くことになりました。
それでも、今年2020年の変動値幅は、8月末時点で今のところ11.048円です。
ここ数年間の最安値から最高値までの変動値幅を一覧に示せば、、、
・2014年 2108.1pips
・2015年 972.0pips
・2016年 2203.4pips
・2017年 1129.4pips
・2018年 992.1pips
・2019年 795.4pips
・2020年 1104.8pips(※ 8月時点)
以上の値幅が、一年間で動いたわけですが、前回のアメリカ大統領選があった時には、約1か月間で1747.2pipsの上昇があったのです。
我々トレーダーは過去に遡って利益を上げることはできません。
利益は、これから未来の相場からしか得られないわけですから、大きな値動きが必ずあるということではありませんが、あるかもしれないということで準備はしておきたいところですね。
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