2024年8月、金融市場では大きな動きがありました。
日本の利上げ、アメリカの利下げ観測やリセッション(景気後退)に対する懸念などが原因となって、8月5日(月)にはクラッシュとも言える恐怖による下落が起こりました。
今年2024年から新NISAを活用して投資を始めたばかりの初心者の中には、下落によるパニックで投げ売りしてしまった人も、きっといることでしょう。
このような状況の時に、ぜひ参考にしたいのがVIXです。
この記事の目次
VIXとはボラティリティインデックス(Volatility Index)を略したもので、別名では恐怖指数と呼ばれています。
何を参考にして、このVIXが決まるのかを説明すると、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500の市場を元にして決まるのです。
S&P500とは、アメリカの株式市場であるニューヨーク証券取引所やナスダックに上場されている優良企業500社による平均株価指数です。
その市場のインプライド・ボラティリティを示したのが、このVIXと呼ばれているものなんですね。
ボラティリティとは値動きの変動幅のことです。
つまり、値動きの上下動が激しければボラティリティが大きいと言って、値動きの上下動が少なければボラティリティが小さいと言います。
そして、このボラティリティは2種類あります。
ひとつが、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)と言って、過去のボラティリティを表すものです。
一般的にボラが大きい(ボラティリティが大きい)とか、ボラが小さい(ボラティリティが小さい)という時には、このヒストリカル・ボラティリティを見て、そう言われることがほとんどです。
ですが、今後の値動きを占ううえで重要になるのは、インプライド・ボラティリティ(IV)のほうなのです。
このインプライド・ボラティリティというのは、これからの値動きの変動幅が大きくなりそうなのか、それとも小さくなりそうなのかを予測するためのものなのです。
さて、このインプライド・ボラティリティとは、どうやって予想をするのでしょうか?
それは、オプション取引の値決めに用いる計算式の中から、このインプライド・ボラティリティを予測するのです。
難しく説明してもしょうがないので、以下に簡単な事例を示しますね。
たとえば、100 + X = 300という計算式があるなら、Xに当てはまる数字は3だと計算することができますよね?
そのような感じで、インプライド・ボラティリティは計算されて表されているのです。
こちらが、現時点でのVIXチャートです。
クラッシュの値動きになった8月5日(月)には急上昇していました。
一般的にVIXは、20未満であれば正常な値動きだと見られます。
そして、20を超えて来れば相場に不安定さが増してきたと判断されて、30を超えて来れば恐怖を感じるような異常事態だと見られます。
8月5日(月)には30を大きく超えて上昇していきました。
今は正常な範囲内までVIXは下がってきています。
ちなみに、こちらが月足でVIXを現したチャートです。
今月8月5日(月)に記録した数字以上の恐怖相場は、2020年のコロナパンデミック時と、2008年のリーマンショックの時にしかなかったことがお分かりいただけますね。
つまり、今回のクラッシュはそれなりに大きな暴落相場であったということです。
この月足のVIXをご覧いただければ分りますが、ところどころでスパイク天井を付けているんですね。
つまり、暴落相場や急落相場は相場の常だということです。
それが、定期的に起きるわけでもないし、いつ起きるのかも分かりません。
だからこそ、暴落に備えた資金管理が、投資をする者であるなら避けられない最重要事項になるわけです。
今回の記事ではVIX(恐怖指数)を取り上げましたが、ぜひ今後の投資活動の参考情報のひとつとして、ご活用くだされば幸いです。
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