YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
「あのー、ちょっとすみません、、、
高校生は、法律で10時すぎたら
お店から出ないといけないんですよ。」
この言葉が、僕が今から31年前に、
ある有名芸能人に話しかけた最初の言葉でした。
今年2020年は新型コロナウィルスの影響で
大学生のアルバイトにも影響が出ています。
就職前の就労経験は、とても大切なことで、
労働から生まれる賃金を初めて経験することで、
収入を得るということの厳しさを学びます。
僕の学生時代は、東京のアパートで
ひとり暮らしをしていたので、ほぼ毎日、
アルバイトに行っていました。
平日は短い日でも、夕方６時から夜中１時近くまで。
平日でも、大学の講義が早く終わる日には
夕方４時から夜中１時近くまで働いていました。
だから、平日でも７時間～９時間は
バイトで働く日々を過ごしていたのです。
土日の週末で、一番長く勤務する日には、
朝９時半から夜中１時近くまで働いていました。
バイトの仲間うちでは「通し」と呼ばれていて
一日の拘束時間が、15時間にもなるハードな勤務です。
当時の労働基準法が、どうなっていたのかは
まったく覚えてはおりませんが、それが今だとしたら
思いっきり労働基準法に違反していました。
時給は、そんなに高くありませんでしたが、
それでも、毎月15万円くらいは稼いでいました。
僕の両親は、ふたりとも中卒で、共働き世帯でした。
だから、親の負担を、少しでも減らしたくて
僕自身がアルバイトで稼ぐしかありませんでした。
私立大学の学費は、今から30年前でも高額で
入学金は除いても、一年間で80万円近い学費を
納めなければなりませんでした。
もちろん、今の学費はもっと高いです。
うちは２人の息子が大学生ですが、
今年の学費は、２人合わせると200万円以上です。
当時、僕が住んでいた２階建てのアパートは、
京王線「つつじが丘駅」が最寄り駅でしたが、
駅から歩いて２分くらいの場所にあった
「ジョイプラザダービー」というゲームセンターで
ほぼ毎日、アルバイトをしていたのです。
ゲームセンターにも風営法は適用されて、
交番のおまわりさんの巡回もありました。
ですから、夕方６時をすぎたら中学生以下を、
夜の10時をすぎたら高校生以下を、店内から
追い出さなければならなかったのです。
それで、ある日、、、夜の10時をすぎたのに
まだ機械にお金を入れて、そのままゲームを
続けようとしている私服の若者がいたのです。
その若者は、いつも来店していたお客さんでした。
でも、いつもは夜の10時前には
お店からいなくなるので、僕はずっと
彼は高校生なんだろうと思っていました。
東京の都立高校は、制服ではなくて
ほとんどの高校が私服での通学でしたので
高校生かどうかの判断が、なかなか難しかったのです。
それで、その日の彼は、夜10時をすぎても
ゲーム機にお金を入れて帰ろうとしませんでした。
そういう時は、おまわりさんが
巡回で来ると、めんどくさいことになるので、
思い切って声を掛けることにしました。
「あのー、ちょっとすみません、、、
高校生は、法律で10時すぎたら
お店から出ないといけないんですよ。」
そう彼に声を掛けると、彼からは、、、
「あ、ぼく高校生じゃないですよ。」
という返事が戻ってきました。
そういう曖昧な場合は、身分証明書を
提示してもらわなければならなかったのです。
「なにか身分証明書を見せてもらえますか？」
そう彼に告げると、彼は僕に免許証を見せてくれました。
生年月日を確認すると、確かに
３月には高校を卒業していた学年でした。
「あっ、大変失礼しました！」
僕は頭を下げながらお詫びしましたが、
彼はニコッとして、ゲーム機にお金を入れて
そのままゲームを続けていました。
それから、彼がお店に来るときには
いつもお互いに、少し頭をペコっと下げて
ニコッと軽く会釈を交わす間柄になったのです。
で、ゲームセンターでのアルバイトは
大学４年の10月に、父の急な事故死もあって、
突然やめざるを得なくなって辞めたのです。
その後の僕は、大学を卒業して
電機メーカーのシャープに就職したのですが、、、
ある日、テレビを見ていて全身に衝撃が走りました！
「あっ、この人って、あの人じゃーーーーーん！！！」
そのテレビに映る彼とは、３年ほど前まで
バイト先のゲームセンターで、毎日のように
会釈を交わし合っていた「あの彼」だったのです！
僕の口は、ポカ～ンと大きく開いたままで、
お風呂から出たばかりだったので、ふるちんのまま、
何がいま起きているのか分からないような衝撃を
全身で感じたことを、今でもハッキリと覚えています。
その彼は、「あすなろ白書」という
大ヒットしたドラマに主演級で出演していたのです。
その彼は、大ヒットしているドラマの
「半沢直樹」にも、いま出演をしています。
帝国航空の再建を巡って、半沢直樹と
激しく対立するタスクフォースのリーダー
乃原正太を演じています。
半沢直樹を威嚇したり、見下して挑発したりと
悪役感を漂わせた演技で、存在感を放っています。
その彼と僕とはお互いに
ただの顔見知り程度だっただけの間柄ですが、
それでも活躍していると、とても嬉しいのです。
半沢直樹と言えば、、
「倍返しだ！」のセリフがとても有名です。
でも、我々FXトレーダーとしては
そのセリフは「禁句」でもあるのです。
トレードで損をしたあとに
「倍返し」を狙うと、たいていは、
また更に大きく損失を重ねることになります。
あなたも、そういう痛い経験を、
今までにしたことがあるかもしれませんね。
トレーダーは「倍返し」を狙ってはいけないのです。
たとえ損失が積み重なってしまったとしても、
ポジションサイズは常に抑えながらもコツコツと
継続していくことが、勝つための最大のコツなのです。
ですから、一気に取り戻そうとする行為は
絶対に避けなければいけない行為なのです。
「人生に無駄な経験など何一つない。」
そういう言葉が存在しているように、
負けた経験、損した経験、大敗した経験は
無駄な経験ではないのです。
そのような経験から得られるのは「教訓」です。
もし、負けた経験や、失敗した経験がなければ
人間は成長を遂げることは、きっとできないはずです。
ボクシングで伝説のチャンピオンだった
あのモハメド・アリも、こう述べていました。
「あまりにも順調に勝ちすぎているボクサーは実は弱い。」
ですから、上手くいった経験、勝った経験。
そういう経験だけを大切にするのではなく、
失敗した経験、負けた経験も大切に扱いながら
成長の糧にしていく心構えが欠かせないということです。
失敗した経験と、そこから得た教訓がリンクすれば、
「人生に無駄な経験など何一つない」という言葉が
ズッシリと腑に落ちてくるようになります。
ですから、あなたに質問させてください。
あなたの今までの人生の中で、「大失敗したな」、
と思う経験がきっとあったはずですが、その失敗から、
その後に、どのような教訓を得ることができましたか？
ぜひ、そのことをじっくりと考えてみてください。
そして、もし、躓く経験をしたとしても、
その経験を貴重な教訓として、その後の人生では、
成長の糧にして活かすように努めてください。
そのような生き方ができれば、
きっと大きな成長を遂げることができるでしょう。
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