YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
FX(外国為替証拠金取引)には非常にたくさんの魅力的なメリットがありますが、実際の資金を運用していくものなのでリスクもあります。
お金が絡んでくると無視できないのが感情です。
世の中はお金がすべてではないでしょうが、お金には、喜びや苦しみ、切なさといったような諸々な感情が入り込んできます。
つまり、FXでお金を増やそうとすることには、良い点ばかりではないということです。
表があれば裏がある。光があれば影がある。
この世の中の万事がそうであるように、FXにもそれは当てはまるのです。
あなたは、あなた自身のお金を増やすためにFXをしているはずでしょうから、このような意見にも異論はないのではないでしょうか?
FXにおける表や光の部分とは、あなたのお金を大きく増やせる可能性があるということに間違いはないでしょう。
それでは裏や影の部分とは何でしょうか?
それはやはり、お金を損してしまうかもしれないことだと言えるでしょう。
よくFXは余裕資金で運用をなどと言われますが、本当にお金に余裕がある人は、本気でFXはやりません、というかやり始める必要は特にないのではないでしょうか?
今すぐになのか、それとも将来的になのかは別にして、やはりお金が必要だからFXをやるんだ!という人ばかりでしょう。
ですが、FXでお金を増やそうとすることは、FXでお金を減らしてしまう可能性もあるわけです。
ですから、大切なあなたのお金をしっかりと守るためにも、必要最低限なFXのリスク要因くらいは頭に入れておくようにして下さい。
ちなみにリスクは、「リスク=危険性」とひとまとめにして言われることも多いのですが、いくつかの種類がありますので以下に説明を続けていきます。
各国通貨同士の為替変動により為替差益を得るチャンスがあるわけですが、当然のことながら、あなたがポジションを建てた方向と逆側に値が動いたら為替差損が生じてしまいます。
このことを価格変動リスクと言いますが、FXでは最も一般的に意識されているリスクでもあります。
各国通貨同士の金利差により、金利の差額(スワップ金利)を得るチャンスがあります。
ですが、当然のことながら金利の安い通貨を買って金利の高い通貨を売れば、逆にスワップ金利を支払わなければならなくなります。
この各国通貨の政策金利は固定されている訳ではありませんので、経済情勢により金利が上がることもあれば下がることもあるのです。
ちなみにFX業者ごとに提示されているスワップ金利は異なりますし、FX業者はスワップ金利でもトータル的にはFX業者側は損をしない仕組みにしてあります。
これはFX業者のスワップ金利を、そのFX業者のホームページ等で調べればわかることです。
買って得られるスワップ金利(もしくは支払うスワップ金利)と、売って支払うスワップ金利(もしくは得られるスワップ金利)を合計したら、我々の顧客側が必ず損をするようになっているからです。
これはすべての通貨ペアにおいて、そのようになっています。
ですから、スワップ金利が得られる方向にしか仕掛けないというトレーダーを除いては、FXではスワップ金利もコスト(費用)の一部だと認識をするようにしたほうが無難です。
なお、このような金利の変動は、各国通貨そのものの値動きに大きな影響を及ぼしてきます。
このことを金利変動リスクと言いますが、各国ごとの政策金利はファンダメンタル要素として、意識をしているトレーダーはたくさんいます。
その典型的な事例としては、リーマンショック以前の円安相場が良い事例でしょう。
当時は日本だけが低金利政策だったので、他の国々との金利差がとても開いておりました。
安い金利の通貨を売って、高い金利の通貨を買うという、キャリートレードの全盛時だったのです。
レバレッジリスクとは、大きなレバレッジをかけてトレードを仕掛けるときに、ポジションを建てた方向とは逆方向に値が動いた時に被る可能性のある損失リスクのことを言います。
レバレッジによって一度に大きく稼げる可能性もありますが、逆にやられた時のダメージは非常に大きいものです。
常にハイレバレッジを利かせたトレードで、長期的に相場で生き残り続けている人を僕は知りません。
僕自身の経験ですが、株式投資からFXへトレードの舞台を移行してすぐに、当時相場歴16年の経験をしていたにも関わらず、株式投資では縁のなかった慣れないレバレッジ運用で失敗をして、強制ロスカットを喰らってしまった苦い経験があります。
レバレッジリスク以外のリスクは、自分ひとりの力ではどうすることもできないものですが、このレバレッジリスクは自分自身でコントロールができる唯一のリスクなのです。
ですから、このリスクは最も重要視をして下さい。
つまり、ポジションサイズには常に気を付けるということです
トレードの世界で生き残りたいのでしたら、まずは、自分で常にコントロールが可能なレバレッジリスクを、しっかりとした自己規律でコントロールする術を身に付けることが、まずは何よりも重要視すべきことでしょう。
これは国そのもののリスクです。
各国の政治や経済情勢などから、その国の信用度を把握していなければなりませんが、先進国よりも、むしろ発展途上国においてカントリーリスクは高い傾向にあります。
FXの世界では、メジャー通貨やマイナー通貨といったような区分分けがされていますが、カントリーリスクが高い国のほうが、通貨そのものの金利は高くなっています。
そのスワップ金利の獲得が目的で、ローレバレッジでポジションを長期保有するようなトレードを仕掛ける場合には、頭の片隅に入れておきたいリスクでもあります。
※一般的なメジャー通貨:
USD(米ドル)、EUR(ユーロ)、JPY(日本円)、GBP(英ポンド)、
CHF(スイスフラン)、CAD(カナダドル)、AUD(豪ドル)、NZD(ニュージーランドドル)
流動性リスクとは、取引量が少なすぎて必要な時に思うように取引できないリスクのことですが、FXではマイナー通貨はこのようなリスクを多分に含んでいると言えるのではないでしょうか。
マイナー通貨をトレードする場合には、価格変動以外にも流動性にも、念のために注意をしておく必要もあるでしょう。
取引システムの障害や故障など、ネットワークの障害によって正常な受発注や入出金が行えないリスクのことを言います。
このような事態が発生すると注文が遅延したり、ひどいときには無効になる可能性もありますが、インフラが進み、パソコンなどの通信機器の発展などにより、日増しにこの電子取引リスクは軽減されてきていると言えるでしょう。
しかしながら、リスクがまったくのゼロではありませんので、いちおうリスクのひとつとして掲載しておきます。
信用リスクとは、まずひとつはFX業者そのものの信頼性に関するリスクです。
日本でのFX黎明期には、顧客の資産を持ち逃げしてしまうような業者も実際に存在していたようです。
そしてもうひとつは、FX業者の資金の預託先において、業務または財産の状況が悪化した場合などに、預け入れた証拠金などの資金の返還が困難になり損失を被る恐れがあるというリスクです。
いまではほとんどのFX業者が、顧客から預かった証拠金などの資金と、FX業者の固有財産とを明確に区分をしている信託保全を全面的に打ち出しております。
ですが、万が一の事態が生じた場合は、資金を多く預けていればいるほど、滞りなく手元に資金を戻すことは容易なことではないということは簡単に想像ができます。
最近の出来事では、2015年の1月に起きたスイスフランショック時に、欧州の老舗業者アルパリが破綻をしてしまったり、大手業者のFXCMも破綻寸前まで追い込まれました。
大切な資金を預けておくわけですから、FX業者の選定にも十分に気を付けるようにして下さい。
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