YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
この記事では、FX(外国為替証拠金取引)でメジャー通貨ではなくマイナー通貨を選択する場合のリスクについて説明します。
FXでは、いろいろな国の通貨でトレードができます。
FX業者にもよりますが、さまざまな通貨ペアでのトレード環境を整えているFX業者もたくさん増えてきました。
サクソバンク証券(スタンダードコース)では、なんと162通りの組合せの通貨ペアでトレードをすることが出来ます。
その他にも、IG証券は97通貨ペアで、ゲインキャピタル・ジャパンは84通貨ペアでトレードが可能です。
業界内でも取引高が比較的に多いメジャーなFX業者では、ヒロセ通商(LION FX)が50通貨ペアでトレードが可能です。
為替市場で取引量の多い通貨には、米ドル(USD)・ユーロ(EUR)・日本円(JPY)・ポンド(GBP)があります。
それに追加して、順メジャー通貨とも呼ばれておりますが、豪ドル(AUD)・スイスフラン(CHF)・カナダドル(CAD)・ニュージーランドドル(NZD)を含めた8通貨が一般的にはメジャー通貨として分類されています。
その一方で、取引量がさほど多くない通貨はマイナー通貨として分類されています。
つまり、上記8通貨以外のものは、大きく分けるとすべてマイナー通貨という括りになります。
このマイナー通貨として分類されている通貨の中には、金利が高い通貨も多く存在しています。
その中でも特に取引が多い通貨は、南アフリカランド(ZAR)です。
FX業者の中でも取引可能な会社も比較的多い通貨となります。
僕の場合はマイナー通貨ではトレードはしていませんが、それには確固たる理由があります。
その理由は、マイナー通貨はメジャー通貨に比べると、圧倒的に世界全体としての取引量が少ないので、流動性リスクが常に存在するからです。
流動性リスクとは、売買量が少ないために、自分が決済したいときに決済できなかったり、そのために不利な価格で決済を強いられるかもしれないというリスクのことです。
世の中にはスワップ金利派という言葉が存在するように、金利が高い通貨を保有して、金利が安い通貨とのスワップ金利差で儲けたいというニーズも相変わらず存在しています。
このような方法が投資書籍や投資雑誌などでも数多く紹介されていた時期がありましたので、外貨預金のような感覚で、レバレッジを低く抑えてFXに挑戦する人もいるくらいです。
ですが、そこにある大きな落とし穴に気が付いていない人も多いと言わざるを得ません。
それは為替変動リスクです。
どうしてもマイナー通貨で取引をしたいのでしたら、常にアンテナを張り巡らせて、その国の政治や経済状況に関する情報を自ら積極的に収集する努力も必要であることは否定できません。
なぜならマイナー通貨は取引量が少ない分だけ、突発的な事態が生じた場合には、大きく価格がブレるからです。
価格が大きくブレた後では、先ほど述べたように流動性の問題で決済できない可能性も少なからずあるのです。
そういうことからも、もしその国でテロや戦争、経済情勢の悪化などの兆候が見られたら、迷うことなくポジションはクローズしたほうが良いでしょう。
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