YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
FXが人気の理由のひとつとして、レバレッジを効かせた取引ができることがあげられます。
ですが、国内業者ではレバレッジ規制があり、最大でも25倍までと法律で制限されています。
25倍のレバレッジがあれば十分と思う人もいれば、小さすぎると思う人もいます。
でも、僕自身はレバレッジ規制には大きな優位点があると感じていますので、この記事では、FXにおけるレバレッジ規制の優位点について僕なりの意見をお届けします。
僕はもともとは個別株の株式トレーダーで、約16年間に渡り株式投資を経験してきました。
でも今現在は株式投資などより、勝負の舞台はFX(外国為替証拠金取引)がメインです。
株式投資からFXに移行しようと思ったきっかけは、FXのレバレッジトレードに魅力を感じたからでした。
株式投資の場合は、ある程度のまとまった資金がないと投資できない銘柄も多かったのですが、FXでは少額でもレバレッジを利かせてトレードが可能であることに大きな魅力を感じたわけですね。
でもFXに移行した際に一番僕を悩ませて戸惑わせたことは、この慣れないレバレッジ運用でした。
FXに移行した時に自分自身のトレードスキルを過信しすぎて、今では考えられないようなレバレッジを利かせてトレードをしたこともありました。
その結果として、証拠金の80%ほどを強制ロスカットに掛かり失ってしまったことを2回も経験してしまいました。
※ 強制ロスカットとは、FX業者を利用しているトレーダーの証拠金維持率が、
そのFX業者で決められた比率を下回った場合に強制的に保有ポジションの決済が行われるという仕組みのことです。
証拠金の80%ほどを強制ロスカットで失うということは、仮に100万円の証拠金を預けていたとしたなら、80万円を失ってしまったということになります。
なぜこのようなことが起きたのかと言うと、その当時のレバレッジは今の25倍よりもずっと大きかったからですね。
多くのFX会社では、強制ロスカットという仕組みを用意して利用者の損失を抑える仕組みを提供しています。
つまり、FX業者の強制ロスカットとは、山登りの際の命綱のような役割を果たすもの、だとご認識ください。
それでも利用者側としての我々は、強制ロスカットに掛からないように、ポジションサイズを調整して、安全圏での取引をすることが必要ですね。
もっともレバレッジ規制後の現在では、大きすぎるレバレッジを効かせられなくなった分だけ、以前と比べると強制ロスカットに掛かったとしても、損失はかなり少なくて済むようになりました。
これこそが、我々トレーダー側からすれば、レバレッジ規制の最大の優位点だと言えるのではないでしょうか?
たとえば、証拠金維持率が100%に達した時点で強制ロスカットという仕組みのFX業者に、証拠金を100万円預けてトレードをしていたとした場合を想定してみます。
仮にドル/円(USD/JPY)の1万通貨トレードに必要な証拠金が4万円だったとして、20万通貨のポジションを持ったとします。
20万通貨のポジションを維持するためには、計算すれば80万円の証拠金が必要になりますね。
※ 4万円(1万通貨当たりの必要証拠金) × 20万通貨分 = 80万円
なので、預けている100万円の証拠金から、このポジション保有に必要な証拠金の80万円を引いた20万円の含み損が発生したら、ポジションは強制ロスカットされることになります。
すなわち、強制ロスカットに掛かったとしても、FX業者に預けた100万円のうちの8割の資金(80万円)は残るわけです。
もちろん、FX業者によって定められている証拠金維持率は異なりますので、事前にお使いになるFX業者の証拠金維持率の確認は絶対に忘れないようにしてください。
これがレバレッジ規制前であれば、以前に僕が経験したように、資金の8割を失ってしまうなどということにもなりかねないわけです。
トレード経験がある程度豊富なトレーダーであれば、こんなに大きなレバレッジを利かせて運用している人は多くないと思います。
でも、特に初心者の場合は、利益を得ることばかりに目が向かってしまい、目いっぱいのレバレッジでトレードをしようとする人も少なくはありません。
それでも考えようによっては、FX業者によってこのような場合でも先ほどの想定例のように80万円の投資資金は手元に残るわけですから、この点はレバレッジ規制になった後での我々トレーダー側の最大の優位点とも言えるべきものに異論はないでしょう。
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