YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
現在はFX(外国為替証拠金取引)を提供する会社として、国内業者だけではなく海外業者も含めて、さまざまなFX業者が存在しています。
日本国内だけのFXトレーダーを顧客としてサービスを提供している国内業者もあれば、本社は海外にあり日本法人を立ち上げて日本国内のFXトレーダーを相手にサービスを提供しているFX業者もあります。
また、直接海外業者が日本国内のFXトレーダーにサービスを提供している海外業者もあります。
これらの各FX業者のホームページには、FXトレードに必要な条件が細かく記載されておりますが、記載事項を鵜呑みにはできないものがありますね。
それはスプレッドです。
FX初心者は特に注意をしてください。
スプレッドとは買い値と売り値の差のことですが、この差が狭いほうがトレードする場合には有利になります。
なぜなら、買ったり売ったりした瞬間には必ずスプレッド分がマイナスされた為替レートからトレードが始まるからです。
たとえば、ドル/円(USD/JPY)でのスプレッドが0.5pips(もしくは0.5銭)と提示されていた場合には、100円のレートで買い注文を入れたと同時に即決済をしたとしても、99.995円での決済ということになりますからね。
つまりスプレッドとは、我々FXトレーダー側からの立場で見れば、ある意味FX業者側への取引手数料のようなものであり、このスプレッド分はFX業者側の利益になっています。
だから我々FXトレーダー側からすれば、FXトレードで利益を出すためには、買い(ロング)でも売り(ショート)でもエントリーをしてポジションを保有したときには、必ずこのスプレッド分以上の値幅がエントリーした方向に最低でも動かなければ、利益を出すことはできないということになります。
ちなみにこのスプレッドですが、通貨ペアごとに違いますし、すべての取引時間帯で同じスプレッドというわけでもありません。
取引が多い通貨ペアはスプレッドは狭い傾向にあり、取引が少ない通貨ペアはスプレッドは広い傾向にあります。
そして、取引が多い時間帯はスプレッドは狭い傾向にありますが、深夜や早朝などの取引が少ない時間帯はスプレッドが広がる傾向にあります。
そして特にご注意頂きたいことは、このFX業者側が表明しているスプレッド幅を鵜呑みにはしないでくださいということです。
なぜならば、実際のFXトレードをする際には、スプレッドの他にスリッページというものが発生をすることがほとんどだからです。
スリッページとは、注文を出した値段では約定せずに、我々FXトレーダー側には不利な方向に値がすべって約定してしまうことであり、そのズレのことを表した言葉です。
このスリッページは、価格が大きく動く時や、取引量が全体的に少ない場合には、特に大きく発生することが多いものです。
しかしながら厄介なことは、このスリッページそのものは、FX業者によって大きく異なってくるということと、実際にそのFX業者でFXトレードを繰り返してみなければ、スリッページの発生状況の実態は分かり難いということです。
当然のことですが、スリッページが発生しにくいFX業者のほうが、我々FXトレーダー側にとって有利なことは言うまでもありませんね。
スプレッドを0.3pipsだと表明している業者であってもスリッページが常に0.3pips発生してしまうような業者と、スプレッドを0.5pipsだと表明をしている業者でもスリッページが発生はしない業者では、後者側のFX業者のほうが有利なトレードを実現することができます。
FX業者が提示するスプレッドやスリッページのことを合わせて、トレードコスト(トレードを仕掛けるための経費)と言いますが、トレードコストが少なければ少ないほど、長い目で見れば見るほど大きな差になってきますからね。
スリッページが発生しにくいことを、約定率が高い、あるいは約定力があると言いますが、そのようなFX業者をしっかりと選ぶべきです。
スプレッドを狭く設定をして我々トレーダー側にアピールをしている業者でも約定率が低ければ意味はなく、逆に表明しているスプレッドが多少広くても、しっかりした約定力を誇っている業者のほうが、僕自身は信頼できるFX業者であると思っています。
FX業者もたくさんの社員を抱えており、慈善事業ではなく営利活動であるわけですから、自社の利益を追及することは当然のことではあります。
だからと言って、客寄せパンダ的に低スプレッドをチラつかせて、我々FXトレーダー側を欺くような行為をするFX業者には、しっかりとした選別の目を持って関わらないようにすることも、FXトレーダーの務めであるとも言えますね。
つまりFX業者の選別も、我々FXトレーダーのリスク管理の領域に含まれるものでもあるというで、業者選定の際は十分に気を付けて選別するようにしてください。
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