YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
この記事では、個人トレーダーの総勢準備についてお伝えします。
年末は12月も後半に突入してくると
欧米トレーダーはクリスマス休暇に
突入するトレーダーが徐々に増えてきます。
日本の個人トレーダーも年末が近付くにつれ
ポジション調整をするトレーダーも
徐々に増えてくる傾向にあります。
個人トレーダーであれば12月が決算月です。
ですから、勝ち組トレーダーであれば
12月には一年間の総収支は
既に概算してあるはずです。
でなければ、翌年の確定申告時に
納税額がいくらくらいになるのかが
見込めないからですね。
そのために年末はポジション調整の
検討が必要になってきます。
具体的に年末のポジション調整とは
年内に保有ポジションを決済するのか、
それとも年越しでポジションを
保有したままにしておくのか、
はたまた新たな仕掛けは回避するのか
というようなことです。
今年一年間の成績が絶好調であれば
当然にして含み損のポジションは
年内に決済をしたほうがよくなります。
そうではなくて今年一年間の成績が
あまり振るわなかったということでしたら
無理に決済する必要はありません。
含み損の決済判断については
それまでの収支がどうなっているのかで
対応は人ぞれぞれ異なってきます。
つまり、少しでも納税額を減らすように
対応を考える必要があるということです。
稼いだ金額が大きければ大きいほど
とても大切なことになりますからね。
収益が大きければ同じ20.315%の納税でも
納税金額は大きく異なってきます。
※ 20.315% = 所得税15% + 住民税5% + 復興特別所得税0.315%
100万円の収益なら20万3150円の納税ですが、
110万円の収益なら22万3470円の納税になります。
たとえ100万円くらいの収益であったとしても、
収益が9%増えるだけで納税額は
2万320円も増えてしまうわけです。
ある程度まともな専業トレーダーの収益であれば
最低でも1,200万円ほどの収益はあるでしょう。
であれば、9%収益が増えた場合の納税額は
243万7,800円から265万7,202円へと
219,402円もの差額が生じてしまうのです。
FXで認められる経費の範囲は広くありませんが
トレード収益から経費を差し引いた所得に対して
納税の義務が発生します。
ですから、納税額を試算するためには
経費をしっかり把握しておく必要があります。
弊社には2016年8月に税務調査が入りましたが
FXの経費に関しては、グレーゾーンの部分は
経費として認めてもらえないことの方が多いです。
なおグレーゾーンとは
白黒はっきりとせず曖昧な部分
という意味のことです。
ですから、個人トレーダーの場合は
特にグレーゾーンの経費は認められないと
思っていたほうが無難ですね。
ですが、トレードの書籍や教材代金は
経費に計上をすることが可能になります。
まったくトレードをしていないのに
経費だけを計上することはできません。
でもそれなりに売買を繰り返している人であれば
それは利益を上げるために必要だった経費として
計上をすることは可能になります。
たとえば今年のトレード収益が-10万円で、
利益を上げるために30万円を支払って学んだのであれば
合計して-40万円で損失の確定申告をするべきです。
※ 他にも通信費の一部など、
トレードに必要な経費があれば、
それらの経費も合わせて計上します。
なぜなら、損失の確定申告をした場合は
その後の3年間に渡って損失の繰り越しが
認められることになるからです。
つまり、3年以内に40万円までの収益まで
繰り越した損失と合算をすることにより
納税額が発生をしないことになるからです。
その場合にもし損失の確定申告をしていなければ
その後の40万円に対して20.315%の納税義務が
発生をしてしまうことになるのです。
金額にしたら81,260円の納税額になりますが
これは完全に避けることができる節税策です。
今年、あるお客様から、損切りできずに
約300万円近い損失を計上したという報告を
頂いたことがありました。
そのような方だけではありませんが
今年の成績がマイナス収支で終える方は
確実に損失の確定申告をするようにしてください。
300万円の損失であれば、3年間で
300万円の利益が出るまでは納税額が
発生をしないことになります。
300万円の税率20.315%は609,450円になります。
もし損失の確定申告をしなければ
この609,450円という金額の納税義務が
発生をすることになります。
確定申告というひと手間はありますが
生涯収益という面から考えれば
やらない選択肢はありません。
ところで、上記に記載したことは
すべて国内業者で取引している場合の話です。
海外業者であれば330万円の収益を超えた段階で
もっと税率(所得税+住民税)は高くなっていきます。
また、3年間の損失の繰り越し制度も
海外業者では認められません。
これは申告方式の違いによるもので
国内業者は申告分離課税で
海外業者は総合課税による累進課税だからです。
特に日本人の99%はお金の教育を
人生で受けることはまずありません。
これから大きく資産を築くためには
税制に対する必要最低限な知識は
当然にして必要不可欠になります。
それは資産構築の全体像からすれば
とても小さな部分でしかありませんが
すべては富の蓄積に通ずることです。
脱税は違法になりますから
絶対にやってはいけないことになりますが
合法的な節税は自分自身の財産を
守る術にもなるものです。
これからいくらのお金を得るかということばかりに
目を向けてしまう人が多い世の中ですが
それよりももっとずっと大切なことは
堅塞固塁(けんさいこるい)という意識です。
堅塞固塁とは非常に守りの堅い
砦(とりで)のことを意味する言葉です。
おそらく今年のトレード収支を12月の段階で
きっちりと把握をしている人は少ないでしょう。
そういう人が相場からまともな利益を
上げ続けることなどできるはずはありません。
トレードでも堅塞固塁の意識が低い者が
相場にお金をせっせと貢ぐことになるのです。
富に対してもまったく同じことが言えます。
このことは、富の蓄積に関しては
初歩中の初歩的な話にしかすぎません。
ですが、初歩的な部分を抑えておかなければ
それ以上の先につながることはないのです。
せひ資産を築くことを考える前に
今後は堅塞固塁の意識を高めるようにしてください。
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