為替相場は土日以外は眠らない市場で、いつでも取引が可能です。
そのために、その事実を前面に押し出して、平日であれば「何時いかなる時間帯でも利益を上げることができる」ようなことを言う人もいます。
でも、それは本当のことなのでしょうか?
確かに相場が稼働していれば、いつでも取引することはできます。しかしながら、「相場が稼働している=儲けることが可能」というわけではないんですね。その理由を、この記事では説明していきましょう。
「FXを一生懸命に学んで努力すれば、勝てるようになれる」と言う人がいます。そのことを僕は否定しません。でも、「FXを一生懸命に学んで努力すれば、どんなチャートの値動きであっても勝つことができる」と言う人の意見には同意できません。
実際に、エドウィン・ルフェーブルも、著書「欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア」の中で、このように明言しています。
すべての変動をとらえることなど、できるものではない。(エドウィン・ルフェーブル)
特にまだFXの経験が浅い人は、なにかとすべての変動をとらえようとしがちになります。
明かな上昇トレンドであっても、少しばかりの下落調整の値動きからも利益を得てやろうなどと思いがちです。例えば、直近の値動きで上昇は100pips、下落は30pipsの明らかな上昇優位の値動きでも、下落のわずかな値動きまでも狙って、買いでも売りでも利益を上げようと考えてしまうのです。
明かな上昇トレンドなのに、下落調整の終わりを「待つ」ことができずに、売りでも利益を獲りにいってしまうのです。そして結局は、その行為が仇となって、上昇再開への良いエントリーポイントを見逃してしまうのです。
更にもっと最悪の場合には、相場から往復ビンタを食らってしまうのです。トレードでの往復ビンタとは、買いと売りの連続トレードで、買い売り両方ともに損失のトレードになってしまうことです。
同じ通貨ペアの取引で、一日の中で頻繁に何度も買いも売りも狙って取引している人は、待つという行為が頭からすっぽりと抜けてしまっているようです。ご自身の取引履歴を見て、そういうトレードを繰り返していないかを確認してみてください。
そして確認したあとに、トレード履歴の中から買いなら買いだけ、売りなら売りだけで取引していたと仮定をしてみて、買いなら買いだけ売りなら売りだけの、どちらか一方向の成績だけを履歴の中から計算してみてください。
そうすれば、いかに無駄なトレードをしていたのか?ということが、数字でしっかりと把握できるはずです。
今日は買いの日だから買いだけ、今日は売りの日だから売りだけ、今日はよく分からないからトレードはしない。
たったそれだけのことでも見違えるくらいに、FXの成績は格段に良くなるものです。取引回数が増えたら負ける回数が増える人が大半なので、取引回数を減らせば負ける回数を減らすことができます。これはある意味では、一日で飛躍的にトレード成果を向上させる秘訣だとも言えるのです。
「そんなの秘訣じゃないよ!」と思う人ほど無駄なトレードを繰り返している証拠です。なぜなら、トレード回数を増やすことが勝つための正義だと思っている。つまり、それは裏を返して考えれば、秘訣じゃないと気付いていないからこそ、無駄に取引を繰り返してしまっているからです。
どちらにせよ、あなた自身の今までの取引履歴を、ぜひ一度、真剣に確認してみてください。そこから成果を伸ばすための種が見つかるかもしれませんので。