投資におけるポートフォリオという言葉はご存知ですか? 簡単に言えば、金融商品の組み合わせの事ですが、FXにおいてもポートフォリオは重要です。
ですが、なかなか思うような成果を上げられない人は、取引対象とする通貨ペアを、ドル円(USD/JPY)だけとか、ポンド円(GBP/JPY)だけとかに絞り込んでしまっています。
なので、この記事では、ちゃんと儲けるために必要になるFX通貨の基本的なポートフォリオ戦略についてお伝えしていきます。
FXでは、実際に用意した証拠金以上の資金量で取引が出来ます。つまり、レバレッジトレードがFXの大きな魅力なのですが、利益が出た場合にはレバレッジを利かせている分だけ大きい金額を得ることができます。だから、株式投資と比較すれば、FXの収益率のほうが圧倒的に大きくなるのは必然の事実です。
でも、その反面で損失が出た場合にも、レバレッジを利かせている分だけ、大きな損失を出す可能性があるということになります。FXは、各国通貨同士の為替変動を予想して利益を得ようとするものですが、外国為替取引を扱うFX業者を通じて様々な国の通貨で現在では取引が可能になっています。
日本円(JPY)を取引すると言っても、対象となる国の通貨は様々なので、いろんな組み合わせがあるというわけですね。たとえば米ドル(USD)との取引、ユーロ(EUR)との取引、豪ドル(AUD)との取引などなど、そういう組み合わせが他にもたくさんあります。
実際の取引を継続していく時に、特に初心者で慣れないうちは、すべて日本円絡みの通貨ペアでトレードすることは避けたほうが良いでしょう。
なぜなら、もし日本円が弱くなると考えて、すべての円絡みの通貨ペアで外貨買いでポジションを建てた場合に、予想に反して円が強い値動きを示した場合は、一気にすべての組み合わせで含み損を抱えることになってしまうからです。
このように一国の通貨ばかりに資金を傾けていると、損失が出るときには一気に資金を失いかねないというリスクが生じてしまいます。大袈裟に表現するのであれば、その国の経済情勢・政治不安などのリスクを全て背負い込むようなことになってしまう危険性をはらんでいるというわけです。
なのに、多くの人たちが通貨ペアのリスク分散をすることなく、何らかの決めた通貨ペアだけで勝負を挑んでいます。しかも、為替相場は巨大な市場で、全体の中で個人投資家の取引量なんて、わずか5~6%くらいしかないのです。つまり、常に機関投資家などの大口トレーダーと競い合うわけです。
そのような状況で、ドル円(USD/JPY)やユーロドル(EUR/USD)などの取引量が多い通貨ペアだけで勝負を挑んでいるのなら、常に相場を牛耳る大口勢と勝負を繰り返していることになるのです。なぜなら、取引量が多い通貨ペアは、大口勢が取引しているから全体の取引量が多くなっているからです。
2008年のリーマンショックの時には、すべての金融商品が大暴落して大パニックになりましたが、それ以前のサブプライムローン時の米ドル安の時にも、やはりたくさんのトレーダーが大打撃を受けてしまいました。
だから慣れるまでは、極力ポジションサイズを小さくして、数少ない通貨ペアだけに限定してトレードをすることは否定しません。でも、慣れてきたらリスクを分散させる意味でも、日本円と外貨だけでのトレードではなく、外貨と外貨の通貨ペアでもポジションを建ててみるようにしてください。
大事なことは、トレード対象にする通貨ペアを偏らせないということです。こういうことをポートフォリオ戦略(安全性や収益性を考えた有利な分散投資の組み合わせ戦略)と言います。FXでのポートフォリオ戦略はいろんな組み合わせが考えられます。
ひとつの通貨に偏らないこと以外にも、北米通貨や欧州通貨やオセアニア通貨というふうに地域別にポートフォリオを組むこともできます。他にも、安全通貨とリスク通貨、資源国通貨などなど、そのようなグループばかりに偏らないことも重要です。
なので、ぜひしっかりとあなた自身のポートフォリオ戦略を立てて、リスクを極力抑えたトレードを今後も常に心掛けるようにしてください。この記事が、あなたの参考になれば幸いです。