
時間足
FXではいくつかの時間足チャートを表示させることが可能です。
この時間足は、表示する期間が異なれば環境認識の判断も違ってくるのでしょうか?
そんなふうに思ったことはありませんか?
FXで利益を上げるために環境認識は重要です。環境認識とは簡単に言えば「上昇地合いが強いのか?」「それとも、下落地合いが強いのか?」
そのような判断を行うことです。なぜなら、大きな流れに逆らう取引で利益を上げることは簡単ではないからです。大きな流れに逆らう取引とは、川上に向かって泳ぐようなことと同じことだからです。
なので、この記事では、為替相場における複数の時間足を用いた環境認識の重要性についてお伝えしていきます。
もし「今のユーロドル(EUR/USD)の相場は買いですか? それとも売りですか?」 そんなふうに聞かれたら何と答えるでしょうか?
もうすでにポジションを保有しているなら? 多くの人は特に考えることなく建玉(エントリー)している方向を答えます。ですが、もしポジションを持っていなかったとしたらいかがでしょうか?
もし明確に買いや売りという判断ができているなら、もうすでにポジションを持っているはずでしょう。でも、ポジションを持っていないなら、今の相場が買い優勢なのか。それとも売り優勢なのかの判断ができていないことを示す証拠にもなるのではないでしょうか?
どのような値動きでも、買いを狙う人もいれば、売りを狙う人もいます。つまり「どっちもあり」なのが一般的な判断です。
しかも、時間足が異なればなおさらです。相場参加者ごとにトレードするルールは違うもので、トレードする時間軸も違います。そのことが更にトレードを難しくしている要因だともいえるでしょう。
以下のユーロドル(EUR/USD)の過去のチャートを見てください。

チャート上の白いラインは233期間のEMA(指数平滑移動平均線)です。ロウソク足はラインを上抜けて上昇を続けています。
この4時間足だけを見ていれば、安値切り上げ、高値切り上げが継続しています。ですから、比較的きれいなダウ理論が展開されている値動きです。
このようなチャート形状を見れば? 4時間足チャートをメインの時間足ととらえてトレードしているのであれば、当然「今は買い」という答えが戻ってくることでしょう。
それでは、同じ時点での日足チャートではいかがでしょうか? 以下のチャートをご覧ください。

日足チャートでは、ロウソク足が233期間のEMAに向かって上昇してきています。ですが、大きな流れとしては上昇トレンド確定とは言い難いチャート形状になっています。233期間のEMAを上抜けて上昇を続ける可能性もあれば、そのライン付近で上昇を抑えつけられる可能性もあります。
個人的には、上昇が始まった基点XからAが第1波、AからBの半値押しが第2波で、その後の上昇は第3波と見ています(※半値押し = リトレースメント率が50%の押し)
ちなみに、この画像の最後のロウソク足の値位置は、第1波の161.8%の大きさの値動きになっています(※161.8%の大きさ = エクスパンション率が161.8%の上昇)
トレンド相場時でのセオリー(教科書的な値動き)通りに、第4波として調整の押しが入る。そして、その押しが第1波の終点のAを日足の終値で下抜けることがない限りは? 第1波と同等かそれ以上の第5波の上昇が見込めるようなチャート形状になっています。
そして第5波の天井が、233期間のEMAに頭を押さえつけられるような値動きとなれば? 非常に分かりやすい相場展開になります。
いずれにしても環境認識はトレードには欠かせません。今が長期的には上昇相場なのか。それとも下落相場なのか。それさえしっかりと把握できているのなら、トレードをする時間足によっては、買いでも売りでもトレード戦略によっては、順張り狙いや逆張り狙いとして狙うこともできるのです。
ですが、たいていの場合、たったひとつの時間足だけでは正しい環境認識は難しいのです。それは、上に掲げたユーロドルの4時間チャートと日足チャートを見れば、お分かりいただけたのではないでしょうか?
時間足が異なれば環境認識の判断も違ってくるということを肝に銘じて、日々の取引に励むようにしてください。