グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part3

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グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part3

「グランビルの投資戦略 株価変動を最大に活用する技法」という一冊の本は、今では入手困難です。

 

今から60年以上も前の1960年に出版された本ですが、法則に自らの名前を付けたジョセフ・E・グランビルによって著された良書中の良書でした。

 

この記事では、このグランビルの法則について伝えますが、以下の記事をまだお読みでなければ、先にそちらから読むようにしてください。きっとグランビルの法則について理解が深まるはずです。

 

> グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part1

 

> グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part2

 

 

なぜ、平均をチャートに表示させる必要があるのか?

 

グランビルの法則は、「値動き」と「移動平均線」を使って、これからを予測する相場の判断方法です。基本的には、値動きの平均値を示すものが移動平均線ですが、「そもそも、なぜ平均をチャート上に表示させる必要があるのでしょうか?」

 

その理由として、「今の値位置が平均よりも高い水準にあるのか? それとも低い水準にあるのか?」 そのような判断を瞬時に視覚的に行えることは大きなメリットです。もし、移動平均線を表示させていないチャートであれば、そのような判断を瞬時に行うことは難しくなります。

 

上のチャートは移動平均線を表示させたチャートですが、下のチャートには移動平均線は表示させていません。

 

グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part3

 

グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part3

 

ちなみに、上のチャート画像に用いた移動平均線は、グランビルの法則の本の中で用いられていた200日の単純移動平均線(200MA)です。

 

値位置と移動平均線との位置関係よりも重要なポイントは?

 

現在の値位置と移動平均線の位置関係も大切なポイントですが、それ以上に視覚的な優位性の判断を与えてくれるのは、移動平均線の傾き具合です。移動平均線の角度が急ならば、それだけ大きく相場が動いてきたことを意味しますし、角度が水平に近ければ、さほど動かなかったことを教えてくれます。

 

グランビルの法則がFX相場で今でも通用する理由:Part3

 

上のチャート画像には9期間の単純移動平均線(9SMA)を表示させましたが、移動平均線の傾きが急であるほど、上昇の値動きでも下落の値動きでも、一方向に値が進んでいることが分かるはずです。

 

この移動平均線の傾き具合は、値位置と移動平均線との位置関係よりも重要なポイントです。なぜなら、グランビルの法則は、移動平均線に傾きがあればあるほど、優位性が極めて高くなるからです。

 

移動平均線を使いこなす = グランビルの法則で勝ち続ける

 

一方向に強い流れの出ている相場では、やはり、移動平均線は頼りになります。ローソク足と一本の移動平均線だけあれば、優位性の高いエントリーポイントを見極めて仕掛けることが可能です。もちろん、ローソク足と一本の移動平均線だけあれば利益を大きく伸ばすトレードも可能です。

 

グランビルの法則の中で、買いの第4法則と売りの第4法則は逆張り的なロジックです。値動きが移動平均線から大きく乖離したところを狙って、移動平均線が位置する方向に逆張り的に仕掛ける法則です。

 

でも、この逆張りですら、移動平均線の傾きが強い時であればあるほど、優位性が高くなることは言うまでもありません。なので、単純にグランビルの法則がどういう法則なのかを知るだけではなく、移動平均線について熟知しておくことで、なおさらグランビルの法則を上手く使いこなせるのです。

 

グランビルの法則はクラシック(古典的)な法則ではありますが、今でも多くの相場参加者たちが判断に用いています。もちろん、それは優れた法則だからこそです。移動平均線を使いこなせるようになれば、必然的にグランビルの法則を使いこなすことができるようになれます。

 

つまり、グランビルの法則を使いこなせている人たちは、あたりまえに移動平均線のことを熟知しているからこそ勝てているというわけです。多くの相場参加者たちが、移動平均線を見て売買判断に用いているからこそ、今でもグランビルの法則は相場でも通用しているのです。

 

特にトレードは新しいものだけが良いわけではありません。むしろ、ずっと以前から使い続けられてきたようなクラシック(古典的)なノウハウには大きな価値があるのです。グランビルの法則も、そのうちのひとつだということですね。