FXで「順張り」と「逆張り」っていう言葉は、頻繁に耳にする言葉です。
でも、たった3文字ずつの言葉ですが、実は区別が難しい言葉でもあります。意外と両者の区別がつかない人が、トレード経験豊富な人の中にもいます。
なぜなら、「順張り」と「逆張り」には、戦術面での「順張り」と「逆張り」、そして、戦略面での「順張り」と「逆張り」が常に存在をしているからです。
なので、この記事では順張りと逆張りについて詳しく説明します。もちろん、説明する理由は、あなた自身のトレードの判断に役立ててもらいたいからです。
どういう場面でどうエントリーして、どういう場面で決済するのか?を考える上でも大切な話です。なので、どうぞ記事を最後までお読みくだされば嬉しいです。
最も小さい範囲で「順張り」と「逆張り」を区分けするのであれば、指値注文は「逆張り」で逆指値注文は「順張り」だと区分することができます。
それをもう少し範囲を広げて考えてみれば、押し目買いや戻り売りは「逆張り」であって、高安値ブレイクによる仕掛けは「順張り」だと区分できます。以上のような狭い範囲で区分するものは戦術面による「順張り」と「逆張り」と言えます。
では、戦略面による「順張り」と「逆張り」とは何か? それは環境認識の判断によるものです。
今は買い時だという環境認識判断であれば、買いの方向に仕掛けるのが「順張り」だと言えます。そして、環境認識判断とは反対の売り方向に向かって仕掛けを検討することが「逆張り」だと言えます。
つまり、戦術と戦略の両面において、「順張り」で仕掛けることもあれば、戦略では「順張り」戦略であっても、戦術では「逆張り」で仕掛けるということは、ごく普通に行われているということです。
戦術と戦略の両面においての「順張り」とは、環境認識が買いだという判断の時に高値ブレイクで仕掛けるようなトレーディングです。戦略は「順張り」、戦術は「逆張り」とは、環境認識は買いだという判断だけど、仕掛けは押し目買いを狙って仕掛けるようなトレーディングです。
「押し目買いだから順張りなんじゃないの?」
そう思う人も少なからずいるでしょうが、環境認識は買いでも、下げのスイングの判断時に仕掛けることになるので戦術としては「逆張り」だとも言えるのです。
なお、念のために説明しておきますが、トレンドとスイングは異なるものです。スイングが複数含まれた値動きが重なって、トレンドは形成をされることになります。つまり、上昇トレンドの中には、上昇スイングと下落スイングの両方が含まれているということです。
もちろん、下落トレンドの中にも上昇スイングと下落スイングの両方が含まれています。レンジ相場であっても、上昇スイングと下落スイングの両方が含まれています。つまり、それぞれの上昇と下落のスイングの大きさによりトレンドの判断が変わるということです。
そして、トレンドの中に含まれているひとつひとつの上昇や下落のスイングが、下位時間足ではひとつのトレンドになっています。また、その時間軸でのトレンドとは、上位時間足ではひとつの上昇もしくは下落のスイングになっているということです。
相場経験がまだまだ浅い人であるなら、上記の文章だけでは、僕が何を言っているのか分からない人もいるかもしれません。
要するに、自分の中で値動きに対して明確な定義付けをすることが必要だということです。「定義付けとはそんなに重要なものなのか?」 そのように言われることも多いのですが、何にしても定義を決めることは重要です。なぜなら、定義がなければ自分が何をしようとしているのかが分からないからです。
「順張り」だと思って仕掛ける「順張り」と、「逆張り」だと思って仕掛ける「順張り」は違う。「逆張り」だと思って仕掛ける「逆張り」と、「順張り」だと思って仕掛ける「逆張り」は違う。でも、定義付けが明確になっていれば、そのような判断や戦略、戦術が明確になります。
つまり、そういうことこそが、「自分が何をどう判断しているのか?」「どのように利益を上げようとしているのか?」という明確な判断基準を持つことにつながるのです。FXで収益を上げ続けるためにも、今後はそれぞれの定義を明確にすることを、まずは常に心掛けるように取り組んでみてください。