日本でFXに挑戦している人の人数は、調査によれば160万人ほどだそうです。
ちなみに株の取引をしている人たちの人数は、2023年に行われた調査では、7,445万人との事でした。なので、FXをやる人のほうが圧倒的に少ない人数です。
FXとは外国証拠金取引のことですが、そもそもどのような金融取引なのでしょうか?この記事では、これからFXに挑戦しようとする人に向けて、図を使いながら解説していきます。
海外旅行に出掛ける時は、旅行先で日本のお金のままでは買い物ができないところがほとんどです。ですから、旅行先現地の通貨に両替をしなくてはなりません。
たとえばアメリカに旅行するなら、銀行などに行って、日本の円という通貨をアメリカのドルという通貨に換えるということになります。この通貨同士の交換が、実際のお金を直接的に交換することをしなくて、信用手段によって決済する方法のことを外国為替と言います。
信用手段とは、実際の現金の受け渡しを必要としないで決済が可能な手段のことです。外国為替という言葉はテレビのニュースで聞いたこともあるでしょうし、新聞や雑誌などでも見掛けたことがあるのではないでしょうか?
FXという言葉も今では外国為替と同じように、よく聞いたり見たりするようになってきた言葉です。
ですが、「FXって何なの?」という問い掛けに対しては明確に答えられない人が多いのもまた事実です。FXとはForeign Exchangeを略した用語であり、日本語では外国為替証拠金取引と言います。
「直接的な現金をやり取りすることなしに、各国通貨同士の売り買いをオンライン上で行いながら利益を得ることを目的とした取引」のことなのです。FXをまったく知らない人は、この文章だけではピンとこない人もいるでしょうから、身近な例を使ってもう少し具体的に説明してみます。
例えば、旅行でハワイに行くときは、出発前に銀行などで円をドルに両替する必要があります。ハワイに到着しても、円のままでは、すぐには買い物ができないお店がほとんどです。
ハワイ滞在中は、現地の通貨であるドルで買い物をすることがほとんどになりますが、旅行から日本に帰ってきたら、今度は使わずに残ったドルを、銀行などで円に両替することになります。
このように、実際の現金の受け渡しを伴うもので、円をドルに交換したり、ドルを円に交換することを「外貨両替」と言います。そしてFXとは、この通貨同士の取引がベースになっているのです。
インターネット回線を通じてオンライン上で取引をするために、FX取引業者にあらかじめ証拠金(保証金)を預け入れることによって、実際の現金の受け渡しを伴わない信用手段による「外国為替取引」が可能になるのです。
このように証拠金を預け入れて、通貨同士の取引をすることを、FX(外国為替証拠金取引)と言うわけですね。一般的には、日本の円をアメリカのドルに交換することを「ドル買い円売り」と言い、その逆に、アメリカのドルを日本の円に交換することを「ドル売り円買い」と言います。
世界には日本の「円」以外にも、アメリカの「ドル」やヨーロッパ諸国の「ユーロ」、イギリスの「ポンド」、オーストラリアの「豪ドル」など各国ごとの通貨があります。そして、世界の通貨の為替レートは一定ではなく、常に変動しているのです。
ちなみに為替レートとは、異なる通貨同士の交換比率のことです。よくテレビのニュースなどで、「今日の午前の円相場は昨日より50銭円高で推移をしています」などと報道されるのは、為替レートは常に変動をしているからです。
その変化する通貨の為替レートを利用しながら、為替差益を狙うのがFXなのです。
例えばドル/円(USD/JPY)の為替レートが「1ドル=100円」だとしたら、1ドルは100円と交換するということになります。ドル/円(USD/JPY)の為替レートが「1ドル=120円」だとしたら、1ドルは120円と交換するということになります。
基本的には、ドルに対する需要のほうが大きければドルの価値が上がり、その結果ドルは上昇します。そうなると、ドルに対する円の価値は下がることになりますので、円は下落することになります。
このように為替レートは、各国の経済情勢の変化などの様々な要因を受けて、通貨の需要と供給の変化で常に変動しているのであり、この変動が「外国為替相場の値動き」となって、チャート上に表わされるのです。
ちなみに上の図のように、実際の取引を行う場合には、買い値と売り値にはあらかじめ差額が生じています。この場合は、1ドルを買うときは114.908円で買えますが、1ドルを売るときは114.905円で売れますということです。つまり、最初から0.003円分の差額が生じているということです。
この差額のことをスプレッドと言いますが、スプレッドはFX取引業者の利益の一部となっています。なおFXの基本的な取引の流れは以下のようになりますので、どうぞ参考にしてください。
さて、この記事の最後に、なぜ株式投資と比べると少数派の人たちがFXに挑戦するのか?について説明します。その理由は、株式投資とFXでは、得られる収益率がまるで違うからです。その理由は、FXであればレバレッジを効かせた取引ができるからです。
実際に僕自身は1991年から株式投資をしていて、FXは2004年から始めていますが、得られる収益率の大きな違いは強く実感してきました。株は短期間で大きく利を伸ばすことは難しいのですが、FXならやり方によっては、それが可能なんですね。
念のため、誰でも勝てるわけじゃないし儲けられるわけじゃないことは、誤解がないようにお伝えしておきます。むしろ、儲けている人よりも損している人のほうが多いのは事実なので、どうかFXのほうが儲かりやすいという言葉の意味を拡大的に解釈しないようにしてください。
FXで可能なレバレッジ取引とは、実際の資金の数倍から数十倍の大きさで取引ができることです。たとえば、取引業者の口座に10万円を入れていたなら、最大ではその金額の25倍までの250万円の資金量の取引ができます。
ちなみに25倍を超えるレバレッジ取引は法律で規制されているので、現在(2024年)では国内業者であれば25倍が最高倍率です。もちろん、そのレバレッジは利益だけではなく損失にも影響してくるので、株式投資と比べたら、下手な人ほど損をしやすいのがFXでもあります。
このレバレッジの仕組みについては、また別の記事で詳しく解説をすることにします。