過去検証とリアルトレードの大きな違いに要注意

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過去検証とリアルトレードの大きな違いに要注意

過去検証とリアルトレードの大きな違いには要注意です。

 

過去の値動きを利用して検証を重ねて、優位性が高い値動きを見つけ出す。そのような過去検証は勝つためには必要です。

 

ですが、過去検証だけを完璧にこなすだけでは勝てないのも、また事実です。

 

それはなぜでしょう?

 

過去検証とリアルトレードの大きな違いに注目することで、その理由がはっきりします。

 

なので、この記事では過去検証とリアルトレードの大きな違いについて分かりやすく説明していきます。

 

過去検証とリアルトレードは完全に別物?

ジャック・D・シュワッガーは著書「シュワッガーのテクニカル分析」の中で、このようなことを述べていました。

 

過去を振り返る形でチャートを分析することは簡単である。それは実時間でチャートを分析し、その結果を基に実際のトレーディングの判断をすることは完全に別物である。

 

過去検証とリアルトレードは何が異なるのか?

過去検証は大事です。それは否定しません。でも、過去検証と実時間でのリアルトレードは明らかに違うものです。我々は、過去の値動きからは利益は得られず、これからの値動きからしか利益を得ることはできません。

 

つまり、いま見ているチャートの右側部分からしか利益を得ることが出来ないわけです。過去検証では、チャートの右側部分が見えてしまいます。過去検証ソフトで、チャートの右側部分を隠してシミュレーションができる便利なソフトウェアは流通しています。

 

でも、だからといって実時間とまったく同じ環境でトレードを実践できるわけではないのです。簡単に言えば、結果を知っている試合を録画して後から見ているようなものです。「一切の結果を耳に入れずに録画して後から見るから十分に楽しめるさ。」

 

そう言う人もいるでしょうが、あなた以外の人は結果を知っています。だからあなたの空間だけがタイムスリップするわけですが、それは過去検証でのシミュレーションも同じことです。

 

リアルトレードだけが持つ「勝つために欠かせないもの」の正体は?

実時間でのリアルトレードでは、いろいろな緊張感を含みながら相場は休むことなく動いています。

 

すぐ後にある重要指標発表を控えて、売り買い勢力の微妙な駆け引きもあります。土日を挟んで世界情勢に関するニュースが飛び込んできた。そのために週明けに大きく窓を開けて始まるような値動きもあります。

 

そういう空気を読む観察力はトレーダーには決して欠かすことができないものです。つまり、常に緊張感の中で取引を繰り返すことで、そういう観察力が身に付いてきます。

 

でも、その相場観察力は過去検証ばかりでは培えないものです。

 

たとえば、下ヒゲが長いロウソク足を過去検証とリアルトレードで見れば?

下ヒゲが長くついているようなロウソク足があります。その一本だけのロウソク足を後から見れば、反転の兆しのロウソク足かも?と誰もが考えることです。でも実際の相場では、そう簡単ではありません。

 

リアルタイムでチャートを見ている人の中で、売りの勢力がたくさんいたから下ヒゲがついたロウソク足になっているわけです。

 

つまり、そのロウソク足を見ていた人は、最初は勢いよく下げて陰線になっているロウソク足もザラ場(始値から終値までの値動き)の中で見ていたわけです。でも、過去検証では下ヒゲの長いロウソク足で終わったということしか観察しない人が大半なのです。

 

過去検証とリアルトレードの決定的な違いはコレ

トレードでお金を稼ぐためには実時間でチャートを分析する。そして、その結果を基に実際の判断をすることが重要です。

 

たとえば「がんばれ」という言葉をレースが始まる前の人に言うのは効果があります。でも、既にレースは終わっていて、最下位になってしまった人に向かって「がんばれ」と言ったら怒りを買うでしょう?

 

「がんばれ」という同じ言葉でも空気を読まずに使ってしまえば? その効果はまったく違ったものになってしまいます。リアルトレードも過去検証もそれと同じような大きな違いがあるのです。

 

つまり、その場の空気を観察できるのがリアルトレードです。そして、過去検証ではその場の空気を観察することは一切できないのです。

 

リアルトレードが勝つためには絶対的に欠かせない理由

相場の空気を読む観察力を身に付けるには、多くのリアルトレードの経験が必要です。それは、過去検証だけを繰り返していても身に付けることはできない能力です。

 

なので、もしあなたがFXで勝ちたいなら? 過去検証だけを完璧にこなせば勝てるようになれるとは思わないでください。リアルトレードの経験を積むことで、相場の空気感を肌で感じながら経験値を高めていくことが欠かせないことだからです。