リスク要因が7つも潜んでいるのがFX

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リスク要因が7つも潜んでいるのがFX

リスク要因が7つも潜んでいるのがFXです。

 

FX(外国為替証拠金取引)には、非常にたくさんの魅力的なメリットがあります。でも、お金を運用していくものなのでリスクもあります。

 

お金が絡んでくると無視できないのが感情です。世の中はお金がすべてではないでしょう。でも、お金には、喜びや苦しみ、切なさといったような諸々な感情が入り込んできます。

 

つまり、FXでお金を増やそうとすることには、良い点ばかりではないということです。

 

FXはさまざまなリスク要因と隣り合わせの状態にある

表があれば裏がある。光があれば影がある。この世の中の万事がそうであるように、FXにもそれは当てはまります。FXにおける表や光の部分とは? お金を大きく増やせる可能性があるということに間違いはないでしょう。

 

それでは裏や影の部分とは何でしょうか? それはやはり、お金を損してしまうかもしれないことだと言えるのではないでしょうか?

 

FXは余裕資金で運用をなどと言われますが、本当にお金に余裕がある人は、本気でFXはやりません、というかやり始める必要は特にないのではないでしょうか? たいていは今すぐになのか、それとも将来的になのかは別にして、やはりお金が必要だからFXをやるんだ!という人ばかりでしょう。

 

ですが、FXでお金を増やそうとすることは、FXでお金を減らしてしまう可能性もあるわけです。ですから、大切なあなたのお金をしっかりと守るためにも、必要最低限なFXのリスク要因くらいは頭に入れておきたいものです。

 

ちなみにリスクは、「リスク=危険性」とひとまとめにして言われることが多いです。ですが、そのリスクも細分化すれば、FXには7つのリスク要因が潜んでいます。なので、それら7つのリスク要因を取り上げてみましょう。

 

リスク要因1:価格変動リスク

各国通貨同士の為替変動により為替差益を得るチャンスがあるのがFXです。なので、当然あなたがポジションを建てた方向と逆側に値が動いたら為替差損が生じてしまいます。このことを価格変動リスクと言います。FXでは最も一般的に意識されているリスクでもあります。

 

リスク要因2-1:金利変動リスク

各国通貨同士の金利差により、金利の差額(スワップ金利)を得るチャンスがあります。ですが、金利の安い通貨を買って金利の高い通貨を売れば、逆にスワップ金利を支払わなければならなくなります。

 

この各国通貨の政策金利は固定されている訳ではありません。なので、経済情勢により金利が上がることもあれば下がることもあるのです。

 

ちなみにFX業者ごとに提示されているスワップ金利は異なります。さらに、FX業者はスワップ金利でもトータル的には損をしない仕組みにしてあります。その事実は、FX業者のスワップ金利を、業者のホームページ等で調べればわかることです。

 

買って得られるスワップ金利(もしくは支払うスワップ金利)と、売って支払うスワップ金利(もしくは得られるスワップ金利)を合計したら、我々側が必ず損をするようになっているのです。これはすべての通貨ペアにおいて、そのようになっています。

 

ですから、スワップ金利が得られる方向にしか仕掛けない。そのような方針を掲げているトレーダーを除いては、スワップ金利もコスト(費用)の一部だと認識をするようにしたほうがよいでしょう。

 

リスク要因2-2:金利変動リスク

なお、このような金利の変動は、各国通貨そのものの値動きに大きな影響を及ぼします。このことを金利変動リスクと言います。各国ごとの政策金利はファンダメンタル要素として、多くの相場参加者に意識されています。

 

その典型的な事例としては、2008年リーマンショック以前の円安相場が良い事例でしょう。当時は日本だけが低金利政策だったので、他の国々との金利差がとても開いていました。

 

安い金利の通貨を売って、高い金利の通貨を買う。すなわち、円を売って外貨を買い持ちするというキャリートレードの全盛時だったのです。

 

リスク要因3-1:レバレッジリスク

レバレッジリスクとは、大きなレバレッジをかけてトレードを仕掛けるときに生じます。ポジションを建てた方向とは逆方向に値が動いた時に被る可能性のある損失リスクのことを言います。

 

レバレッジによって一度に大きく稼げる可能性もあります。ですが、逆にやられた時のダメージは非常に大きいものです。常にハイレバレッジを利かせたトレードで、長期的に相場で生き残り続けている人を僕は知りません。

 

僕自身もこのレバレッジリスクを甘く見て痛い経験をした過去があります。それは、株式投資からFXへトレードの舞台を移行してすぐの頃でした。

 

当時、株式相場で相場歴16年の経験をしていたにも関わらず、株では縁のなかった慣れないレバレッジ運用で失敗をしてしまいました。ポジションを持ちすぎて強制ロスカットを喰らってしまいました。

 

リスク要因3-2:レバレッジリスク

レバレッジリスク以外のリスクは、自分ひとりの力ではどうすることもできないものです。でも、このレバレッジリスクは自分自身でコントロールができる唯一のリスクなのです。なので、このリスクは最も重要視する必要があるリスク要因です。

 

具体的には、ポジションサイズには常に気を付ける。ポジションを持ちすぎるオーバーポジションには気を付ける。ぜひ、そのことを徹底することをお勧めします。

 

FXで生き残りたいのなら、まずは、自分で常にコントロールが可能なレバレッジリスクに細心の注意を払う。そして、自己規律で己をコントロールする術を身に付ける。そのことを何よりも重要視すべきなのではないでしょうか?

 

リスク要因4:カントリーリスク

これは国そのもののリスクです。各国の政治や経済情勢などから、その国の信用度を把握していなければなりません。特に先進国よりも、むしろ発展途上国においてカントリーリスクは高い傾向にあります。

 

FXでは、メジャー通貨やマイナー通貨といったような区分分けがされています。そして、主にマイナー通貨に分類されるカントリーリスクが高い国のほうが、通貨そのものの金利は高くなっています。

 

そのスワップ金利の獲得が目的で、ローレバレッジでポジションを長期保有するようなトレードを仕掛ける場合には、頭の片隅に入れておきたいリスクでもあります。

 

なお、一般的なメジャー通貨は以下の8通貨です。USD(米ドル)、EUR(ユーロ)、JPY(日本円)、GBP(英ポンド)、CHF(スイスフラン)、CAD(カナダドル)、AUD(豪ドル)、NZD(ニュージーランドドル)。

 

リスク要因5:流動性リスク

流動性リスクとは、取引量が少なすぎて必要な時に思うように取引できないリスクのことです。FXではマイナー通貨はこのようなリスクを多分に含んでいると言えるのではないでしょうか?

 

マイナー通貨をトレードする場合には、価格変動以外にも流動性にも、念のために注意をしておく必要もあるでしょう。

 

リスク要因6:電子取引リスク

取引システムの障害や故障など、ネットワークの障害によって正常な受発注や入出金が行えないリスクのことを言います。

 

このような事態が発生すると注文が遅延したり、ひどいときには無効になる可能性もあります。でも、インフラが進み、パソコンなどの通信機器の発展などにより、日増しにこの電子取引リスクは軽減されてきていると言えるでしょう。

 

しかしながら、リスクがまったくのゼロではありませんので、いちおうリスク要因のひとつとして掲載しておきます。

 

リスク要因7:信用リスク

信用リスクとは、まずひとつはFX業者そのものの信頼性に関するリスクです。日本でのFX黎明期には、顧客の資産を持ち逃げしてしまった! そんな悪質な業者も実際に存在していたようです。

 

そしてもうひとつは、預け入れた証拠金などの資金の返還が困難になり損失を被る恐れがあるというリスクです。これはFX業者の資金の預託先において、業務または財産の状況が悪化した場合などに考えられるリスク要因です。

 

いまではほとんどのFX業者が、顧客から預かった証拠金などの資金と、FX業者の固有財産とを明確に区分をしている信託保全を全面的に打ち出しています。

 

ですが、万が一の事態が生じた場合は、資金を多く預けていればいるほど、滞りなく手元に資金を戻すことは容易なことではないということは簡単に想像ができます。

 

最近の出来事では、2015年の1月に起きたスイスフランショック時に、欧州の老舗業者アルパリが破綻をしてしまいました。大手業者のFXCMも破綻寸前まで追い込まれました。大切な資金を預けておくわけですから、FX業者の選定にも十分に気を付けるようにする必要があるでしょう。

 

まとめ

以上、FXにおける7つのリスク要因について説明しました。普段から意識していたリスク要因もあれば、意識していなかったものもあったのではないでしょうか? この記事があなたの参考になれば嬉しい限りです。