トレンド判断が見る人により異なるのはなぜでしょうか?
同じ時間で同じ通貨ペアを見ているのに・・・
今は上昇トレンドだと言う人もいれば、下落トレンドだと言う人もいます。
そのように、どうしてトレンド判断が見る人により異なるのか?
この記事では、その理由について説明していきましょう。
まず、トレンドという言葉について考えてみましょう。
名著「マーケットの魔術師」の中で、エド・スィコータはトレンドについて、こう述べていました。
生ある者は全てトレンドに従っているんだ。鳥は冬に備えて南へ旅立ち、それをずっと続ける。会社はトレンドを追いかけ、それに従って製品の品揃えを変えていく。
つまり、エド・スィコータは相場のトレンドも同じことだという事を伝えたかったのです。相場の値動きも鳥や会社と同じように、トレンドに従って動くという事を示したかったのです。
FXトレードにおいては、一般的にトレンド方向へ仕掛けることを順張り。トレンド方向に反する方向へ仕掛けることを逆張りと表現しています。
でも、同じ通貨ペアで同方向に仕掛ける場合でも、見る人によっては「順張りだよ」と言う人もいます。「いや違う、これは逆張りだよ」と言う人もいます。
なぜ、そのように異なった主張があるのでしょうか?
その理由は、人それぞれに見ている時間足チャートが違うからです。見ているチャートの時間足が異なれば、トレンドに対する認識が異なってくるからです。
たとえば、日足チャートでは右肩上がりに値動きが進んでいる。でも、今がちょうど押し目を付けに来ている段階だとしましょう。つまり、日足では上昇の値動きが続いていた。でも、調整の値動きが起きて下落に転じてきたような値動きです。
そのような場面では? 時間足を日足から5分足に切り替えてみれば、5分足チャートでは、明らかに下落相場だと判断できることも多いのです。そのようなケースでは、日足で判断をしている人は上昇トレンドだと認識している。5分足で判断している人は下落トレンドだと認識している。
そのようなことは頻繁にあるのです。つまり、トレンドに対する認識が人により判断が異なる場合は、見ている時間足が違うからです。
でも、見ている時間足が違うからという理由だけではありません。トレンドというものをどのような方法で判断しているのか? そのことでも異なってきます。もちろん、明らかに上昇トレンドだとか、下落トレンドだとかいう力強い値動きであれば、話は別です。
たとえば、ダウ理論に基づいてトレンド判断をしている人がいます。その一方で、現在の値位置が移動平均線の上にあるのか? それとも下にあるのかだけで、トレンド判断をしている人もいます。
なので、見ている時間足チャートが同じ場合でも、トレンドの判断方法が違えば、トレンドの判断が異なる場合もあるのです。
そのように、トレードに対する定義付けが異なれば? 順張りや逆張りという判断も異なってくるのです。
要するに、どのような判断でトレンドだと判断しているのか? そのことが大前提だという事です。なぜなら、そのトレンド判断により、順張り狙いなのか? それとも逆張り狙いなのか?の判断が異なってくるからです。
溢れんばかりの周囲からの情報に惑わされないことが大切です。そおのためには、トレンドの判断に明確な基準を持つことです。
順張りであろうが逆張りであろうが、、、 あなたが明確な基準を持ってトレンドの判断をする。そしてトレードに励んでしっかりと利益を残せればいいわけです。
ただ、多くの相場参加者は、順張りなのか逆張りなのかの明確な基準がありません。それぞれのメリットデメリットを理解していません。その根本的な理由は、トレンド判断するための明確な基準がないからです。
だからまずは、トレンドを判断する明確な基準を持つ。そして、その基準を持たなければ、順張りだの逆張りだのと議論する資格すら与えられないということです。
今が上昇トレンドなのか? それとも下落トレンドなのか? はたまたレンジ相場なのか? 明確な判断基準を持って、相場の状態が判断できるようになれば? 順張り狙いなのか。逆張り狙いなのか。そのような判断にも曖昧さを減らすことができるようになるはずです。
この記事が、あなたの参考になれば幸いです。