投機ってギャンブルと何が違うの？ 投機と投資の違いは？
「投機とかギャンブルとか投資って、お金を増やすために行うものじゃないの？ だから、言葉が違うだけで、全部同じなんじゃない？」
そんなふうに考えたことありませんか？
結論から言えば、全部違います。投機とギャンブルと投資には明確な違いがあるのです。
なので、この記事では、投機とギャンブルと投資の違いについて説明していきます。
ジョッシュ・リュークマンは、著書「トレードの経典」の中で、次のように述べていました。
投機は確率を基にしているが、ギャンブルは期待に基づいている。ギャンブルはゼロサム以下のゲームで、その結果は確率計算とは無縁だ。
投機とギャンブルの違いを知ったうえでトレードすれば、運任せのギャンブルではなく利益の出るトレーディングシナリオに従って繰り返し行動できるようになる。
投機とは比較的に短期間の変動の差益を狙う売買取引です。ですから、我々は投資というよりは投機をしているわけです。そして、投機とギャンブルの最も大きな違いは優位性を見出せるかどうかということです。
投機であれば、相場の環境認識やチャート分析。アノマリー（経験則のようなもの）により優位性を見出すことが可能です。でも、ギャンブルであれば、優位性を見出すことは難しい。あくまでも期待、すなわち運による要素が強いのです。
なので、我々はFXを運まかせのギャンブルではなく、投機として取り組むべきなのです。
ギャンブルであれば運まかせの勝負を繰り返すことになります。そして、FXでも運まかせの勝負に挑む人もいます。
なんとなく買ってみるとか、なんとなく売ってみるとか。売買の根拠を持たない人たちがやっていることは投機ではありません。それこそ運まかせのギャンブルです。
これだけ上がったんだから、そろそろ下がるだろう。これだけ下がったんだから、そろそろ上げるだろう。そんなふうなやり方で勝てたとしても、その後の再現性は期待することができません。
確率というものを誤解している人も多いです。分かりやすいようにサイコロの事例を取り上げて説明をしましょう。
サイコロを10回振ったら10回連続で奇数の目が出ました。それでは、次にはどちらの目が出ると思いますか？
そのような質問をすると大半の人たちは偶数が出そうだと答えます。その理由を尋ねると、「ずっと奇数が続いているから、そろそろ偶数が出そうな予感がする」 つまり、確率が極端に奇数に偏っているからだと答えます。
でも、次の一回だけを対象にすれば、確率は偏ってはいないと言うことができます。なぜなら、サイコロを振る一回ごとの勝負では、奇数が出る確率も、偶数が出る確率も常に50％ずつだからです。
それは直前に100回連続して奇数が出ていようが偶数が出ていようが、次の一回という勝負では、まったくもって関係がないことなのです。
もちろん、サイコロを複数回振ることによる確率計算ではまったくもって違う計算式になります。それには、時間軸（回数軸）が確率計算に含まれることになります。なので、もっとずっと複雑で難しい計算になります。
FXでも一度の仕掛けでは、勝つか負けるかしかありません。なので、一度の仕掛けでの勝率期待値は、理論上では50％です。
ですが、我々にはスプレッドやスリッページなどの取引コスト（経費）が掛かります。コスト負担は避けられません。なので、取引コストのことを含めれば、勝率の期待値は50％を下回ることになります。
つまり、勝率の期待値が50％ない勝負を常に挑んでいるのです。ですから、相場を分析して優位性を見出さなければなりません。
もし何もしなくて優位性を見出せないなら？ 勝率期待値は著しく負ける確率が高くなるほうに傾いてしまうでしょう。そのために、チャート分析などで優位性を見出すことが必要になります。そのことで勝率期待値を高くする必要があるのです。
ギャンブラーではなく投機家として相場に挑む。そうであるなら、優位性の高い判断を繰り返すために知識を蓄え、スキルを上げる。そのことは絶対的に欠かせない条件になると言えるでしょう。
投機とギャンブルについての違いはお分かりいただけたでしょうか？ 最後に、投機と投資の違いについてもお伝えします。投機とは「機会に投じること」。そして、投資とは「資産に投じること」です。
つまり、投機と投資には時間軸の違いがあります。投機は短期的に利益を上げることを目指します。でも、投資は短期的な利益ではなく、資産を増やすことが目的であって、短期的な利益を狙うものではありません。
その違いを明確にご理解いただけるなら、FXは投機であるということにご納得いただけるのではないでしょうか？
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