為替相場で古典的ブレイクアウト手法は今でも通用するのか?

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為替相場で古典的ブレイクアウト手法は今でも通用するのか?

リチャード・ドンチャンという名前を耳にしたことはありますか? リチャード・ドンチャンとは、1960年代に初めてブレイクアウト手法を世に広めたトレーダーです。

 

4 Weeksルールという手法ですが、終値判断で過去4週間の最高値を更新したら買い、過去2週間の最安値を更新したら手仕舞う。そのような感じのシンプルなトレード手法でした。

 

リチャード・デニスで有名なタートルズの手法も、このルールをアレンジしたブレイクアウト手法でした。

 

ブレイクアウトなら、注目する高値や安値を抜けてきたところでエントリーするだけです。なので、プルバック(押し目や戻り目)を狙って仕掛けるよりも、狙いどころが明確なので、初心者や初級者でも簡単に取り組めます。

 

でも、FXは簡単でも儲からなければ意味がありません。なので、現代の為替相場においても、古典的とも言われているブレイクアウトを狙った方法が通用するのかどうかについて、この記事でお伝えしていきましょう。

 

ブレイクアウトを狙った手法の最大のメリットは?

 

このブレイクアウト手法は、インジケーターも何も必要としません。ローソク足チャートさえあれば簡単にできますし、相場の環境認識も仕掛けも、ひとつの時間足だけで完結をしてしまうシンプルなトレード手法です。このシンプルさがブレイクアウト手法の最大のメリットだと言えるでしょう。

 

ブレイクアウト手法が全盛時だった時代には、コンピューターは一般的ではなかったので、今のように誰もが手軽に使えるような便利なインジケーターは一般的ではありませんでした。

 

でも、今はいかがでしょう? パソコンが普及して、とても便利な時代になり、より複雑な計算式のインジケーターも開発され普及するような時代になりました。そして、誰もがそのインジケーターをチャートに表示させることが簡単にできるようになりました。

 

でも、そのような時代だからこそ、しっかりと認識をしておいて欲しいことがあります。それは、インジケーターは、これからの相場の値動きを示す万能なツールじゃないということです。

 

インジケーターを使った判断の最大のデメリットは?

 

相場がどう動いてきたのかを分析して、それをチャート上に表示させるのがインジケーターです。つまり、過去の値動きがあるからこそインジケーターの数値が決まるわけであって、それをチャート上に表示することができるわけです。

 

インジケーターの期間(パラメータ)をたとえば20という数字に設定したなら、過去20本分の値動きによって、その時にチャートに表示されるインジケーターの数値が決まるわけです。すなわち、インジケーターとは未来を予想するための道具なんかじゃない、ということです。

 

ただ、過去の状態をチャート上に表しているだけのものにすぎないのです。それなのに、あたかもインジケータが未来を予想するような感覚でチャートに表示をさせていて、なおかつトレード判断を繰り返す人がたくさんいます。

 

そのようなトレーダーはインジケーターが、これから未来の値動きを作ると思っているのでしょうが、そうではないのです。相場の値動きこそがインジケーターに影響を与えているわけです。決してインジケーターに影響をされて、相場のこれからの値動きが決まるわけではありません。

 

インジケーターはなくても、時間の経過と共に相場は流れていって、ローソク足は次から次へと描かれていきます。でも、ローソク足の値動きがなければ、インジケーターが次から次へと描かれることは絶対にあり得ないことです。

 

すなわち、値動きからインジケーターの数値が決まるのであって、インジケーターの数値が値動きを決めるわけではないのです。値動き→インジケーター」であって、「インジケーター→値動き」という流れはあり得ないのです。

 

もちろん、僕はインジケーターを、頭ごなしに否定しているわけではありません。インジケーターの特性を良く理解をしてからトレード判断に用いるべきだということを、お伝えしたいだけです。

 

リチャード・ドンチャンの4Weeksルールは今でも通用するのか?

 

リチャード・ドンチャンの4 Weeksルールを聞いて、あなたはどのように感じましたか? 昔はそんなシンプルな手法で儲けることが出来て、とても良い時代だったんだなあなどと思っているのかもしれません。

 

ですが、今の時代でも、とても複雑な判断でいろいろとこねくり回すようなトレード手法よりは、よほど4Weeksルールのほうが相場では機能します。実際にリアルマネーで運用してみたら分かりますが、とにかくトレード回数がとても少なくなります。

 

なので、もしポジポジ病気味な人なら、トレード回数が少なくなるので、とても物足りなく感じてしまうでしょう。でもその分だけ、時間的にも負担は少ないですし、余計なスプレッドなどのトレードコストを負担する必要もなくなります。

 

ブレイクアウトを狙った手法は、勝率的にはあまりよくならないのは事実なので、そのルールでトレードを継続していけるかどうかは問題です。

 

でも、継続することがしっかりと出来れば、トレンドに乗れた時は最後まで獲り切るという、稼いでいくためには必要な相場に向き合う姿勢も、しっかりと身に付きやすくなるでしょう。

 

【チャートで解説】為替相場はトレンドが出にくい相場?

 

さて、なぜブレイクアウトを狙った手法は勝率が良くないのでしょうか? その理由はとても簡単ですが、損切りを置く値位置が離れやすいからです。

 

損切りまでが遠くなれば、必然的に利益幅を大きくしなければなりません。それに、ある程度の値動きが起きてから仕掛けることになるので、反転する可能性もそれなりに高くなるからです。

 

下の1枚目のチャートは、ブレイクアウトを狙った場合で、2枚目のチャートがプルバックを狙った場合です。

 

為替相場で古典的ブレイクアウト手法は今でも通用するのか?

 

これがもしプルバック狙い(押し目狙い)なら、もっと早い段階でエントリーすることができるので、損切りを置く値位置が同じであれば、同じ損失許容量ならブレイクアウトを狙うよりも、ポジションサイズを大きくすることが可能になります。

 

しかも、損切りまでの値幅が狭くなるので、利益を確定した際のリスクリワードも、ブレイクアウトを狙って仕掛けた時よりも、プルバックを狙って仕掛けたほうが大きくなります。

 

為替相場で古典的ブレイクアウト手法は今でも通用するのか?

 

上の2枚のチャートを見れば、ブレイクアウトを狙った場面でも、ブルバックを狙った場面でも、共に上手くいっているように感じるはずです。

 

でも、実際には、このケースではプルバックを狙って仕掛けたほうが、ポジションサイズは大きくできるし、利益確定した時のリスクリワード(損失対利益比)も、ブレイクアウトを狙ってエントリーするよりかはずっと大きくなりました。

 

上記の事例のように、トレンドの値動きであれば、実際にFXでブレイクアウト手法は有効に機能します。ですが、有効に機能するからと言って、ブレイクアウトを狙った方法が、シンプルで最高の稼ぎ方だとは言えないのが現実です。

 

ブレイクアウト手法をおすすめしたいのはどんな人?

 

さて記事の最後に、古典的なブレイクアウト手法をおすすめしたいのはどんな人かについてです。ズバリそれは初心者や初級者です。そのような人にお勧めする理由は、簡単だからです。

 

チャートにインジケーターを表示させる必要もないし、目立つ高値や安値だけを対象にして、その値位置をローソク足の終値が抜けるのを確認してからエントリーするだけです。他の判断は特に必要ありません。

 

そして、反対側にある高値や安値を超えたところに、万が一、思い通りの値動きにならなかった場合を想定して損切りを置けばいいだけです。もちろん、利益を確定する値位置は最低でも、エントリーから損切りまでの値幅以上にしなければなりません。

 

勝率はさほど良くなくても、常に損する時よりも大きな利益を実現できるなら、それを続けていくだけで資金は増えていくでしょう。難しい方法で稼ぐのは、もっとスキルが上がってからで良いのです。

 

ただし、ひとつだけ言えることは、株式市場や商品市場とは違って、為替相場は大きなトレンドが生まれにくいという事だけは知っておいてください。その理由は、各国通貨同士の交換取引で成り立っているのが為替相場だからです。

 

そのために、ある国の通貨だけが、ずっと一方向に上がり続けるとか、下がり続けるという値動きは生まれにくいのです。

 

ちょこまかといそがしく売買を繰り返すよりは、古典的なブレイクアウト手法で取引したほうが、トレードに必要なスプレッドなどのコスト(経費)面などを考えても有利であることは言うまでもありません。この記事があなたの参考になるなら嬉しい限りです。

 


 


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