大損失をFXで経験したことありますか?
僕は2007年にたった一晩の取引で、口座資金の96%を失ってしまった経験をしました。
しかも、その大損失は投資を始めてから16年目のことでした。
なので、初心者レベルでリスクコントロールを甘く見ていたわけではありません。
でも、心の中に慢心があった。そのために大損失を経験してしまったのです。
ジョッシュ・リュークマンは著書「トレードの経典」の中で、次のようなことを述べていました。
トレーディングで成功するにはリスクコントロールが不可欠の要素となる。リスクの基準が不適切な場合、最も熟練したトレーダーでさえ破綻しかねない。
たった一度の大損失トレードで、すべてを失ってしまう。考えただけでも恐ろしい話です。ですが、そのことを経験した人は数えきれないくらいに存在しています。僕もそれに近いようなことを2007年に経験してしまいました。
会社を自主退職して独立して間もない頃の経験でした。たった2回のトレードで、預け入れていた96%の証拠金を失ってしまったのです。株式投資からFXの舞台にステージをかえて間もなくの経験でした。
なぜそんなことになってしまったのか? その理由は慣れないレバレッジの運用だったのです。直接的な原因はオーバーポジションです。一つのポジションのポジションサイズは小さく抑えていました。でも、取引する通貨ペアが多すぎたのです。
そのため、反転した際に大きな含み損を抱えることになりました。そして、証拠金維持率を下回ってしまって強制ロスカットになってしまったのです。
当時僕は相場歴16年目のことでした。その前7年間は月単位でも負け知らずでした。そのせいか、心にはもう負け込むはずがないという慢心が大きく育ってしまっていたのです。
最も熟練したトレーダーでさえ破綻しかねないのが相場です。なので、もしまだそれほどに相場経験を積んでいないのであれば?
ポジションサイズを小さくして挑むことはもちろんです。そして口座全体のポジションサイズにも注意を払うべきです。僕自身はいくつものポジションを建てていたことで、結果として全体のポジションサイズが大きくなり過ぎてしまっていたのです。
2007年当時は、現在のようにレバレッジ規制は厳しくなかったのです。現在の国内業者の最大レバレッジは、金融庁の規制により25倍までになっています。でも、2007年当時は国内業者でも100倍などというレバレッジは普通のことでした。
そんなこともあって多くのポジションを建てすぎてしまいました。証拠金維持率が20%を下回ったら強制ロスカット。そういうルールの国内業者で取引をしていて強制ロスカットにあいました。
そして、その後にすぐ大損失を取り返そうとしてまた失敗。結果として、再び証拠金維持率が20%を下回って強制ロスカットにあいました。
つまり、最初の強制ロスカットで80%の資金を失いました。そして、その後に残った20%の資金のうちの80%を2回目の強制ロスカットで再び失うことになりました。
結果として、一晩で2回の強制ロスカットにあい、口座資金の96%を失ってしまったのです。
もし、現在のようなレバレッジ規制であれば? そこまでの資金を失うことはありませんでした。
レバレッジ規制は、投資家や投機家には利益が限定される不利な規制だ。そのように言う人も多いのです。でも、大損失を経験したことがある僕から言わせてもらえれば? 大損失を抑えるという重要な役割を果たしている規制でもあるのです。
すべてを失ってしまう可能性は常に隣り合わせ。そのことは絶対に忘れてはいけないことだということです。