ポジションサイズが破綻の元凶である理由

目安時間:約 8分

ポジションサイズが破綻の元凶である理由

ポジションサイズが破綻の元凶である理由について説明します。

 

多くの為替相場参加者が、ポジションサイズを大きくしすぎることで失敗しています。

 

なぜ、ポジションサイズは適正な大きさに抑えなければいけないのでしょうか?

 

そのことについて説明していきましょう。

 

ポジションサイズを大きくするダメな実例は・・・

名著「マーケットの魔術師」の中で、ブルース・コフナーは次のように話していました。

 

彼はポジションを大きくとり過ぎたんだ。僕が1枚トレードするところを、彼は10枚トレードした。彼は過去に2回ほど、彼の資金を倍にした年があったけれど、今でも彼の収支はプラス・マイナス・ゼロのままだ。

 

投資知識やスキルに優れていたのに儲けられなかった理由

ブルース・コフナーが「彼」と呼んでいた人物は、トレードが下手くそだったのでしょうか? でも、そんなことはなかったそうです。 むしろ、コフナー自身と比べても優れていた。

 

なぜなら、コフナー自身がこう言っていたからです。彼は自分よりも、ずっと相場に詳しかった。もっとずっとトレード知識もスキルも高かった。そのような人物だったと言っていたのです。

 

にも関わらず「彼」の収支はいつまでたってもプラス・マイナス・ゼロのままだった。彼よりも投資の知識やスキルが劣っていた。そんなコフナー自身は利益を積み上げていたのにです。

 

彼はポジションサイズを大きくしすぎていた!

結局、その彼が儲けられなかった原因は・・・ 「大きすぎるポジションサイズにあったんだ!」 そう指摘をしていました。

 

ポジションサイズを大きく取りすぎてしまう。そのような相場参加者は多いのが実態です。

 

なぜ、ポジションサイズを大きくしてしまうのでしょうか? その理由は、勝った時に一気に資金を増やしたい! 急いで資金を膨らませたい! そんなふうに欲が影響を及ぼすのです。

 

そのような欲が、負けた時のことを考えない状態に思考を導いてしまうのです。

 

FXでポジションサイズを大きくしすぎると・・・

たとえば、FXはレバレッジを効かせた取引が可能です。仮に取引口座に10万円しかなかったとしても、、、

 

国内業者であれば、最大で250万円分までの取引が可能になります。もちろん現実的には、そのレバレッジではすぐに強制ロスカットに掛かってしまいますが、、、

 

でも、トレードでは負けを避けることはできません。100%の勝率で勝ち続けることなどあり得ないのです。だからこそ、リスクにも大いに目を向ける必要があるのです。

 

なぜ、FXで破綻に追い込まれる人がいるのか?

バルサラの破産確率はとても有名です。同じ勝率であってもリスクリワード比が低いほど破産確率は高くなる。そういう特徴があることを確率で示してくれます。

 

その特徴は普通に考えれば気が付くことです。ですが、多くの相場参加者が見逃してしまうのです。見逃してしまう理由は、利益を得る事ばかりを考えてしまうからです。

 

ポジションサイズを大きくして価値を積み重ねる。そうすれば、すぐに大金持ちになれるぞ・・・ そんな愚かな考えで頭の中が支配されてしまうのです。

 

ポジションサイズが大きくなると破産確率は上昇する

事例を挙げて説明をします。たとえば仮に、勝率が50%。リスクリワードが1:2(負ける時より勝つ時の金額が2倍)。一度の取引きでの損失許容量は1%。

 

つまり、100万円の資金なら? 勝つときは2万円。負ける時は1万円。そういうトレードを繰り返した場合は? その場合の破産確率は0%になります。

 

すなわち、リスクリワードが倍。そして、適正なポジションサイズであるなら・・・ まず破産をする確率はないということです。

 

でも、そのような人が、リスクリワード2倍のトレードがずっと維持できている。だから、ポジションサイズを一気に10倍まで増やしてみよう。そう考えて取り組んだとしたなら、破産確率はどうなると思いますか?

 

その場合の破産確率は0.81%になります。

 

10倍のポジションサイズでも順調だ! だから、思い切って更にポジションサイズを倍にしよう。そのようにしてしまえば? 破産確率は一気に9.02%までに上がってしまうのです。

 

つまり、同じスキルの人でもポジションサイズを大きくすることにより、破産確率は高まってしまうのです。

 

怖いもの知らずがポジションサイジングで失敗する

ポジションサイズを大きくして、短期間で資金を膨らまそう! そんなふうに目論む人は、特に初心者が多い傾向にあります。怖いもの知らずという言葉が当てはまります。

 

でも、特に経験が浅い人なら、損大利小のトレードしかできないのに、ポジションサイズを大きくしようとしてしまう。

 

勝率を上げることさえできれば儲かると思い込む。勝つときは小さく、負ける時は大きい。そればかり繰り返しているのに、ポジションサイズを大きくしてしまうのです。それでは資金が増えるはずありません。

 

種がなければ花を咲かすことはできない。それと同じように、FXも種となる資金がなければダメ。それでは、お金を増やしていくことはできないのです。だからこそ、資金の流出は徹底して出来る限り抑えなければならないのです。

 

こんなに小さいポジションサイズなら儲からない?

あなたはいかがでしょうか? もし、あなたがなかなか資金を増やせずにいるなら、、、 悩んでいるのであれば、ひとつアドバイスをしましょう。

 

こんなに小さなポジションサイズなら儲かるわけないよ!

 

そう思うくらいの小さなポジションサイズで取引を繰り返してみてください。

 

それだけのことで、今までとはまったく違う感覚で取り組めるようになるはずです。そのアドバイスを実行した何人もの負け組だった人たちが、面白い結果を出せるように変身できています。なので、にっちもさっちもいかずに悩んでいるなら、ぜひ試してみください。