新しいノウハウばかりに、次から次へと目移りしていませんか?
「これやってみたけどダメだった・・・、だから次はこれ・・・」 もしかしたら、あなたもそのような傾向にあるのかもしれません。
もちろん、新しいものに挑戦することは、知識やスキルアップを図るためには有効な手段です。なので、新しいノウハウに飛び付くことを、頭ごなしに否定したいわけではありません。
では、勝てるようになるためには、どんなふうに取り組む必要があるのでしょうか?
ジェイク・バーンスタインは、著書「バーンスタインのデイトレードの実践」の中で、こう述べていました。
トレーダーにとって最もフラストレーションがたまり腹が立つことは損失が何度も続くことだ。トレーダーにとっては最も厳しい時期である。
過ちを犯し、矛盾が生じ、規律がなくなり、新しいシステムを探そうとする。最悪の時期に備えていれば、それに十分に対処することができる。(ジェイク・バーンスタイン)
何をするにしても継続することは、非常に困難なことです。非常にあきっぽく長続きしない。そういう人を表現する言葉で昔から「三日坊主」という言葉があります。その三日坊主という言葉には「坊主」という言葉が付いています。その語源は修業僧から来ているからだそうです。
修業の厳しさを乗り越えられない人が、たくさんいたことから生まれた言葉だというわけですね。過去から現代に至るまで三日坊主に当てはまる人が大勢いたようです。だからこそ、いまだによく使われる言葉として残っているのでしょう。
もし、頻繁に使われない言葉なら、すぐに消えてなくなります。たとえば、「ナウい」とかは、その代表格とも言える言葉でしょう。今の若者は知らない言葉でしょう。でも、数十年前には頻繁に使われていた流行語でした。
ところで、この三日坊主は今の世の中にも、たくさん存在しています。自分のことを三日坊主だとは認識をしていない人も多いのが現状です。でも、三日坊主という言葉を別の表現で言い換えれば? 間違いなくほぼ全員が当てはまります。
三日坊主の類義語は辞書を調べれば数多く探し出せます。きっと当てはまるものがあると思うので以下に転載します。
飽きやすい/飽きっぽい/すぐに飽きる/長続きしない/継続性がない/
長く続かない/根気が続かない/根気がない/根気が足りない/集中力が続かない/
気が散りやすい/我慢強くない/簡単に折れる/すぐにへこたれる/しぶとさが足りない/
辛抱が足りない/移り気の多い/浮気性の根性がない/ガッツがない/すぐ諦める/諦めやすい/
簡単に諦める/粘りが足りない/諦めが早い/腰の落ち着かない/落ち着きがない/
無節操な/腰のすわらない/腰が定まらない
いかがでしょうか? もしかしたら、あなたにも当てはまる項目があったのかもしれません。残念ながら、全人類ほぼ100%に当てはまるのが、この「三日坊主」という性質です。現在の世の中の流れそのものも三日坊主の増産を助長しています。
今の世の中は僕らに対して、新しい付加価値の高い工業製品を次から次へと提案をしてきます。スマートフォン、パソコン、自動車、ソフトウェア、家電製品など数え上げたらキリがありません。
特に今の時代は計画的陳腐化が激しく仕組まれています。なので、どうしても古いものよりも新しいものに人は価値を感じてしまうのです。
ちなみに計画的陳腐化とは、新製品を市場に投入するにあたり、旧製品が古くさく感じるように計画することです。そのことで、新製品の購買意欲を向上させることです。
人口の減少傾向が顕著になる中で、企業が経済規模を拡大するためには避けては通れない戦略です。悪い言葉で言えば、まだ使える状態のものを計画的に流行遅れにしてしまう。そして、新しいモノを買ってもらい企業が存続できるように需要を生み出すということです。
スマートフォンの春モデルとか夏モデルとか。自動車やエアコンの年式モデルチェンジとか。ソフトウェアの有償バージョンアップとか。そういうのはすべて計画的陳腐化によるものです。もちろん、毎年ファッションの流行が変わることだって完全に仕組まれてのことなのです。
つまり、世の中の時流が三日坊主を増産しているのです。現代はそのような時代なのです。
投資教育の分野でも、次から次へと新しいトレーダーを前面に押し出す。そして、その人物のトレード手法でこの計画的陳腐化をひたすらに繰り返す。そのような業者もありました。我々トレーダーはそういう戦略に決して踊らされてはいけないのです。
そのような計画化された戦略にトレーダーとして踊らされている。そんな状態ではトレードで勝ち組になるためには欠かせない「自己規律」を高めることにはつながりません。
なぜなら、計画的陳腐化に踊らされているということ・・・ それは、いつもあっちへふらふら、こっちへふらふらを繰り返すだけのことになります。なので、規律というものは絶対に育たないからです。
その一方で、価値の高度化をひたすら目指し、企業戦略として計画的陳腐化を行っていない商品も世の中にあります。たとえば、ロレックスの腕時計などですね。もちろん、新しいモデルも生み出されます。でも、それはモデルチェンジというわけではありません。
ただ単に新しいラインナップを増やしているにすぎません。ちなみに弊社は計画的陳腐化は行いません。ロレックス方式での情報提供を心掛けています。その理由は、昔も今も相場を動かしている最大要因は手法ではなく相場参加者の心理的要因だからです。
だから絶対に、計画的陳腐化を図るような投資教育者の緻密な戦略には最大限の防衛網を築くようにしてください。新しい手法だから良いのではありません。
大切なことは原理原則です。古くから使われ続けてきたような確かな方法で、相場の理にかなった手法なのかどうかということが重要なことなのです。そこには新しいから良いという事とは何も関係がないのです。
日々トレードを繰り返していれば、損失のトレードが何度も何度も続いてしまうことは往々にしてあります。もちろん、それは金銭的にも心理的にも苦しく辛いものです。トレーダーにとっては最も厳しい時期でもあります。
でも、そういうたびに規律を失くしてしまう。そしてまた新しいやり方を探す。そんなことを繰り返すばかりでは振り出しに戻ることをただ繰り返すだけです。なぜ世の中は成功している人のほうが成功していない人よりも圧倒的に多いのでしょうか?
なぜトレードで勝ち組トレーダーよりも負け組トレーダーのほうが圧倒的に多いのでしょうか? つまり、勝ち組になりたければあなたは大衆側に染まっていては絶対にダメだということです。もちろん、世間の流行に影響されて流されながら生活する方が楽かもしれません。
でも、あなたが本気で勝ち組になりたければ、大衆を抜け出して「異端児」になる必要があるのです。もちろん、悪い異端児ではなく「良い異端児を目指す」ということです。
そのための第一歩は、新しいモノに含まれている一時的な価値ばかりに目を向けるのではありません。古典的なモノに含まれている恒久的な価値に目を向けるようにしたほうが成果にはつながりやすいのです。
なぜなら、成果が出ていることが過去から証明されているからです。この記事が、あなたのお役に立てたなら幸いです。