損失の恐怖をFXで感じますか?
「なぜFXを始めないのですか?」
FXに興味があるけどやろうとしない人。そういう人に質問すると、たいていは次のような答えが戻ってきます。
「いくら損するのか分からなくて怖いから…」
でも、それって大きな誤解なのです。なぜなら、FXは取引する前に、いくらまでの損なら許容できるのか? それ以上の金額を損しないように、あらかじめ自分自身で決めて取引することができるからです。
「トレードの教典」の著者のジョッシュ・リュークマンは本の中でこう書いていました。
流動的な純資産の一部だけを使用し、ポートフォリオの約2%というストップロスのリスク特性を守る。そのような資金管理の規律に従ってトレードすれば損失には十分耐えることができる。
そして、損失の恐怖は大幅に和らげられる。そのためには、特にトレードを始めたばかりの時期には、成果として期待する金額を現実的な水準にとどめることが必要になる。(ジョッシュ・リュークマン)
ポートフォリオとは、全体のリスクを低く抑えるために投資対象を分散することです。たとえば、FXの他に株式や先物などに分散投資をするようなことです。
FXトレードしかやっていないのであれば、複数のロジックを使ってトレードをするマルチロジックトレード。複数の時間軸のトレードに分散をするマルチタイムトレード。更には、北米通貨、欧州通貨、オセアニア通貨というふうに通貨の地域性を考慮したポートフォリオを組むこともあります。
この格言のポートフォリオの約2%とは、リスク許容度のひとつの事例にすぎません。それは全体としてのリスクを2%までに収めるということです。
多くの相場参加者は、ひとつのポジションに対してリスク許容度が2%というふうに、、、 ジョッシュ・リュークマンが言うよりも、もっと大きなリスク許容度を設定している傾向にあります。
リスク許容度を大きくすればするほど、常に損失を怖れながら取引を繰り返すことになります。実際に、損失を怖れながら取り組んでいる人がとても多いのがFXトレードの実態です。
でも、ジョッシュ・リュークマンが言うように、損失の恐怖を大幅に和らげたいのであれば? ポジションサイズを小さくして、あらかじめ損失額を限定させてトレードをすることが一番の良策です。もちろん、その分だけ勝つ時もそれなりの利益しか得られない事にはなります。
でも、バケツに穴が開いていれば水を溜めることができません。それと同じことで、まずはバケツの穴をふさぐ事。すなわち、損失額を限定させること。それが、利益を得るよりも先に考えなければいけないことなのです。
初心者や初級者には特に多いこと。それは、FXはレバレッジが効くからローリスクハイリターンが可能だと思っている・・・ でも、よく考えていただきたいのです。レバレッジが効こうが効くまいが、ローリスクはローリターンであってハイリスクはハイリターンなのです。
たとえるなら、トランポリンで高く飛ぶためには、飛ぶ前に深く沈みこまなければなりません。それと同じでローリスクならローリターンしか狙えません。ハイリターンを狙うなら、それなりにハイリスクの危険性がある・・・ そのことを覚悟しておかなければいけないものです。
確かに、ローリスクにもかかわらずハイリターンが実現できるなら、そんなに素晴らしいことはないでしょう。ですが、幻想を追い求めるばかりの思考から現実的な思考へといち早く思考を切り替えてください。
そしてその後は、コツコツと継続していく。そういう人だけが、相場では長く生き残れるのがただ一つの事実なのです。
僕自身は相場歴が30年以上と長いです。なので、今までに相場から消えていく人たちをたくさん見てきました。
そのような人たちは一人の例外もなく、全員が資金管理、損失管理で失敗した。だから相場から退場せざるを得なくなったのです。なので、あなたにも細心の注意を払っていただきたいのです。
いま勝ち組側にいる人は、全員があらかじめ損失額を決めて取り組み続けてきた人たちばかりです。もちろん、過去に数回の大きな損失を経験した人もいます。ですが、そういう経験が教訓になって、二度と大きな過ちを犯さないように努めてきたのです。
あなたの夢を挫いてしまうかもしれません。でも、勝ち続けるため成長し続けるためには・・・ 大勝負に挑むことではなく、小さな勝利を積み重ねること。すなわち「コツコツ積み重ねていくことがコツ」なのです。
もちろん、そういうスタイルでも、レバレッジが大きく効くのです。だから、FXは株式投資と比較したら収益率ははるかに大きいです。もちろん、その分だけ株式投資よりFXのほうがリスクが大きいことを意味します。でも、どちらにせよ、まずは損失に対しての意識を高めることから始めてください。
損失の恐怖を和らげる唯一の方法。それは、あらかじめ損失額を決めて挑み、絶対にその損失額を上回らないように徹底するのみです。そのことを継続していけば、いずれ将来的に、そのやり方が正解だったことに気付く日が来るはずです。がんばってください!