外貨預金とFX(外国為替証拠金取引)は何が違う?

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外貨預金とFX(外国為替証拠金取引)は何が違う?

外貨預金とFX(外国為替証拠金取引)は何が違う?

 

外貨預金もFXも共に、日本円以外の外国通貨を取り扱う金融商品です。

 

でも、その仕組みには大きな差があります。その両者の違いをあなたはご存知でしょうか?

 

この記事では、外貨預金とFXの違いについて説明します。

 

外貨預金か? キャリートレードか?

僕自身が投資に足を踏み入れたのは1991年(平成3年)の6月からです。その頃は投資と言えば、株式投資を思い浮かべる人が圧倒的に多かった時代です。

 

そして、世界を震撼させた2008年のリーマンショックの以前には、外貨という言葉を聞けば、外貨預金を思い浮かべる人が多い時代でした。もちろん、それには理由がありました。

 

なぜなら、日本はすでに超低金利政策で預金金利が低く抑えられていたからです。でも、海外諸国の預金金利は、日本と比較したら高かったのです。そのために、外貨預金ではなくFXを始める人が増えることにもつながりました。

 

その頃のFXは、キャリートレード全盛の時代とも言えるものでした。

 

キャリートレードって、どんなトレード?

低金利通貨を売り、高金利通貨を買って保有する。そのようなスワップ金利狙いのトレードがキャリートレードです。スワップ金利とは、取引する通貨間の金利差のことです。

 

つまり、高金利通貨を低金利通貨と組み合わせて買い持ちしておく。そうすれば、金利差によって利益がもたらされた時代だったということです。そのような背景もあり、その頃には多くのサラリーマンや主婦たちの間にも、FXは急速に広まっていったのです。

 

FXで4億円を脱税した主婦もいた! そんなFXで儲けた話がニュースとして日本中を駆け巡ったような時代でした。そのような報道の影響もあって、楽に大儲けできそうだと思う人がたくさん現れました。それがFXの普及速度を上昇させるきっかけになったのです。

 

外貨預金の最大のデメリットは?

今では、FXの人気は高く、日々新しい人たちが参入をしてきています。それはあなたもご存知でしょう。

 

ところで、同じ外貨を扱うものとして外貨預金があります。外貨預金とは、日本円で銀行にお金を預金するのではなく、外国通貨でお金を預金することです。

 

なぜ、わざわざ日本円ではなくて外国通貨で預金する必要があるのか? そう思うのかもしれません。その理由は、外国通貨で預金をしたほうが高い利息をもらえるからです。でも、外貨預金では注意しなければいけないことがあります。

 

それは、外貨預金はいくら預金金利が高く日本円より利息が高くても、、、 預金している時に為替の値動きが不利な方向に動いてしまう可能性もあるということです。その場合は、利息を大幅に上回る為替差損が発生してしまう。そのために受け取る金利以上に為替差損で損失になる可能性が高まるのです。

 

外貨預金で為替差損が発生しそうなら損切りすれば?

「外貨預金で為替差損が発生しそうなら? 損切りすればいいんじゃね?」

 

もしかしたらそう思う人もいるかもしれません。でも、外貨預金はFXと違うのです。FXならば、損切りをするタイミングは自分で決めることができます。でも、外貨預金の場合、基本的には預金満期日まで中途解約ができないものがほとんどなのです。

 

売買タイミングを自分で決めることができるのがFXです。でも、外貨預金はそうではありません。それが外貨預金とFXの大きな違いでもあります。

 

外貨預金とFXの違いは他にもある?

外貨預金ではレバレッジを効かせた取引はできません。でも、FXはレバレッジの仕組みで、資金以上の数倍の取引ができる。そのことも外貨預金とFXの大きな違いです。

 

レバレッジが効く分だけ、FXでは大きな損をする可能性もあります。でも、FXは為替差益が出たところで利益を得るために決済をするタイミングは自分で決めることが可能なのです。このことが効率よく資金を増やす手段として人気の原動力にもなっています。

 

FXで得られる金利はスワップ金利

もちろん、外貨預金と同じように、FXでも金利差による収益を得ることも出来ます。金利の高い通貨と金利の低い通貨を組み合わせた通貨ペアを選ぶ。そして、金利の高い通貨を買う取引をすることで金利差が得られます。

 

FXでは、その金利のことをスワップ金利と呼んでいます。もちろん、金利の高い通貨と金利の安い通貨を組み合わせた通貨ペアを選ぶ。そして、金利の低い通貨を買う取引をしてしまえば?

 

その場合は、マイナススワップと言って、金利を支払わなければいけなくなります。なので、その点には注意を払わなければなりません。

 

FXで得られる2種類の利益

金利差による利益はインカムゲインと呼ばれます。そして、為替の値動きによる為替差益で得られる利益はキャピタルゲインと呼ばれます。

 

FXでは為替差益とスワップ金利、すなわちキャピタルゲインとインカムゲインの2種類の利益が狙えるということです。

 

外貨を安いところで買って高くなったところで売る。その際の取引レートの差による為替差益による利益。そして、金利の安い通貨を売って金利の高い通貨を買う。その際の金利差分を毎日スワップ金利として得られる利益。FXでは、この2種類の利益を狙うことができるのです。

 

為替差益とスワップ金利、どちらを狙うべきか?

実際にFXの取引をすれば分かりますが、、、 スワップ金利よりも、為替差益による利益のほうが圧倒的に大きいです。この事実は裏を返せば、スワップ金利による利益は、簡単に為替差損により吹き飛ばされてしまうということです。

 

他にも、外貨預金はFXと比較をすると、手数料などのコスト面も割高です。FXの場合、ほとんどの業者では取引手数料が無料です。

 

その代わりに買値と売値の差によるスプレッド。そして、約定時に注文した値段通りに注文が執行されないスリッページ。そのようなコストが必要です。でも、外貨預金の手数料に比べたら、圧倒的に割安感があります。

 

FXや外貨預金の手数料に関する内容は、取り扱い業者(銀行やFX取引業者など)により異なります。なので、実際に取引する際には、取引しようとする業者について調べるようにしてください。

 

お金を増やすためにやっているのに、間違った運用で逆にお金を減らしてしまう。そのようなことを避けるためにも、賢く運用していく術を身に備えられることを切に願います。