環境認識がFXではなぜ最重要視されるのでしょうか?
相場の環境認識とは、現在の相場がどのような状況にあるのか?を把握することを指します。
具体的には、トレンド相場なのか? レンジ相場なのか? ボラティリティ(値動きの変動幅)は大きいのか小さいのか?
サポートやレジスタンスはどの辺りにあるのか? 経済指標やニュースなどの外部要因は?
そのような状況を総合的に分析することで、今後の値動きのシナリオを立てるための土台になることが環境認識です。
その中でも特に重要視して欲しいことがあります。そのことについて、この記事でお伝えしていきます。
リチャード・D・ワイコフは、著書「相場勝者の考え方」の中で、次のようなことを述べていました。
相場について知っておくべき一番大事なことは、それが強気なのか弱気なのか、つまり、トレンドが上向きなのか下向きなのかということである。
エントリーポイントなどの局所的な部分に気を取られすぎている人は多いです。ですが、トレードをするうえで大切なことは、しっかりとした環境認識です。
流れに逆らうよりは流れに乗った方が前進しやすい。それは相場だけに限ったことではありません。向かい風に立ち向かうのか、川の流れに逆らうのか。それとまったく同じことです。
強気相場だと知っていて敢えて売り向かう場合。強気相場とは知らずに売りを仕掛けるトレード。その両者では、結果は大きく異なってくるものです。なぜなら、強気相場だと知っていれば相場から早めに逃げることもできるからです。
なんとなく強気だとか、なんとなく弱気だとか。そういう曖昧な判断では環境認識が把握できているとは言い難いです。
大前提として強気の定義、弱気の定義、そしてトレンドの定義は明確にしておく必要があります。なぜなら、定義付けがないということは判断をする材料が用意されていないということになるからです。
当然にして判断する材料がなければ、常に曖昧な判断を繰り返すことになってしまいます。つまり、優位性の高い環境認識をするためには、値動きを判断するための定義を明確化することが最初の一歩目だということです。
買いポジションを持っている時に一時的な下落が起きて、損切りになってしまったことはありませんか? 売りポジションを持っている時に一時的な上昇がおきて、損切りになってしまったことはありませんか?
そのようなケースが起きた時には、環境認識に逆らった方向へのポジションを持っていたのではないでしょうか?
環境認識の方向観さえ間違っていなければ、このようなことを減らすことができます。多少エントリーポイントがずれてしまっても、環境認識の方向観が優位な方向に値動きを進めてくれることもあります。それは海の波が体を運んでくれるようなことにも似ています。
流れに反したポジションは、より大きな環境認識の方向には逆らえないものです。なので、必ずポジションを建てる際には、相場が強気なのか弱気なのか? トレンドが上向きなのか下向きなのか?ということを意識するようにしてください。