YWCトレードロジック事業部の若尾 裕二です。
為替相場の分析にも、株式投資と同様に「チャート」を使ったテクニカル分析が役に立ちます。
相場の値動きをわかりやすく時系列に示したものがチャートであり、チャートを見ると値動きがよく分かります。
この記事の目次
このチャートには、値動きをローソク型の縦棒で表わして横に並べた「ローソク足チャート」や「バーチャート」や「ラインチャート」などがあります。
他にも、為替レートの1日の値動きだけをそのまま表示する「ティックチャート」というものもあります。
そして多くのトレーダーたちは、売買のベストタイミングを判断するために、さまざまな「テクニカル指標(インジケーター)」を用いています。
テクニカル指標にもそれぞれ特徴があり、トレンドの傾向を比較的つかみやすい「トレンド系の指標(トレンド系インジケーター)」や、相場の勢い(モメンタム)をとらえようとする「オシレーター系の指標(オシレーター系インジケーター)」があります。
売買のタイミングを判断しやすくするために、自分自身のトレード手法にマッチしたテクニカル指標(インジケーター)を取捨選択することは、とても重要なポイントになります。
(1)ローソク足
日本ではチャートにローソク足を用いるのが一般的で、分足チャート・時間足チャート・日足チャート・週足チャート・月足チャートなど、時間軸別のチャートに分けられています。
トレーダーは、このチャートの過去の値動きを分析して、将来の価格変動を読み取っていくわけですが、まずはローソク足の見方を知ることから始めましょう。
ローソク足とは日本人によって開発されたもので、見た目がろうそくに似ていることから、この名前が付きました。
ローソク足は、ロウソク足1本分の時間帯での「始値」「終値」「高値」「安値」の4つの値(4本値)を分かりやすく示したものです。
その時間帯の最初につけた値が始値で、最後につけた値が終値です。
そして、その時間帯で一番高かった値が高値で、一番安かった値が安値です。
これらを総称して4本値と呼ばれています。
なお、始値よりも終値が高い場合は、その時間帯では値が上昇して取引きを終えたことになりますので、そういう時のローソク足を陽線と呼びます。
その逆に、始値よりも終値が安い場合は、その時間帯では値が下落して取引きを終えたことになりますので、そういうときのローソク足を陰線と呼びます。
陽線と陰線は、ローソク足のチャート上では色別に分けられて表示されます。
そして、高値と安値を表しているのが「ヒゲ」と呼ばれる部分です。
以下の図を参考にしてくださいね。
このローソク足を左側(過去)から時系列順に並べているものがローソク足チャートです。
ローソク足を見ると、相場の値動きがとても分かりやすいですね。
例えば上のチャートの丸で囲った陽線は長くなっていますが、これは日足チャートなので、一日中、値が上昇を続けていたことを表しているということになります。
この大陽線一本を時間足チャートで表示をすれば、きれいな右肩上がりの値動きとなっています。
下の図の丸で囲んだ部分の陰線は、実体(ローソク足からヒゲを除いた部分)が短く、ヒゲが長くなっていますね。
これは2日間にわたり高値圏でもみ合いの値動きとなった後に下落して終わったことを表しています。
(2)トレンドライン
相場が上昇していくときには陽線が陰線よりも多く並び、下落していくときには陰線が陽線よりも多く並ぶことがほとんどです。
上昇時には安値同士を、下落時には高値同士を結ぶと、チャート上にトレンドラインを描くことができます。
ちなみにトレンドラインの引き方は統一をされているものではなく、ヒゲ同士を結ぶ引き方と、実体の始値や終値を結ぶ引き方などがあります。
どちらの引き方が良くて、どちらの引き方が悪いということはなく、そもそもトレンドラインとは為替相場の値動きの継続性を見るために描くものなので、それが分かればどちらの引き方でも大差はないですね。
下の図は下落する局面を表していますが、値動きが実体を結んだトレンドラインに頭を抑えられながら下落している様子がわかります。
次の図には、上昇トレンドラインと並行したチャネルラインを付け加えてみました。
トレンドラインは絶対的なものではなく、相場の値動きは波のように行ったり来たりを繰り返すものですから、その都度トレンドラインを引くようにしなければ、継続して正しい判断をすることはできません。
トレンドラインは長く機能していればいるほど、信頼度の高いトレンドラインと言えるのですが、そのような時にトレンドラインをブレイクする値動きが出た場合は、今後のトレンドの継続を疑い、反対方向への値動きに注意を払う必要があります。
仮に値動きが下落を始め、下の図のような値動きになったとしましょう。
値動きは上昇や下降を繰り返していますが、トレンドラインが上値を押さえており、トレンドラインが上値抵抗線として機能しているのがお分かり頂けるでしょうか?
そして中期の白の移動平均線を短期の黒の移動平均線が下抜いています。
これはいわゆるデッドクロスと呼ばれている現象ですが、チャートを見る限りでは、しばらくは下落トレンドが継続しそうだと判断できます。
(3)ブレイクアウト戦略
トレンドが発生している方向へ向けてポジションを建てるトレードのやり方をトレンドフォローと言いますが、高値をブレイクアウト、あるいは安値をブレイクアウトした時に仕掛けるというオーソドックスなトレンドフォロートレードのやり方を紹介します。
節目の値位置や抵抗ラインを完全に上抜けた状態を確認、つまりブレイクアウトした状態を確認したらポジションを建てます。
ブレイクアウトしたかどうかの一番オーソドックスなやり方は、ローソク足の終値が確定した時にブレイクアウトしているかどうかで判断をすることが多いです。
節目の値位置をヒゲで抜いてきただけで終値が抜いていなければ、それはブレイクアウトしたことにはならないという判断が一般的で、ポジションはまだ建てないトレーダーは多いのですね。
つまり、終値がブレイクアウトするまでは、じっと待つトレーダーが多いということです。
下の図を見てください。
丸印で囲ってあるa,b,cを見てください。
その部分にA,B,Cの3本の黒い平行線を引いていますが、仮にこの平行線をブレイクアウトしたらエントリーするという戦略を練っていたとします。
黒丸で囲っているaの部分では、まだAの平行線をブレイクアウトしたとは判断できません。
次に黒丸で囲っているbの部分では、終値がBの平行線をブレイクアウトしているので次の時間帯にポジションを建てます。
その後は良い感じで上昇していますね。
そして次に、黒丸で囲っているcの部分でも、Cの平行線をブレイクアウトしています。
ローソク足は移動平均線の上にあり、力強い上昇を続けています。
トレンドフォローでのオーソドックスなトレードでは、節目の値をブレイクアウトしてきたらポジションを建て、トレンドについていくことで利益を狙うのです。
このブレイクアウトによるトレードは、エントリーする時は高値掴みや安値掴みのような感覚に陥るかもしれませんので、多少恐怖感がわくこともあるでしょう。
ですが、相場はどこまで上がるのか、どこまで下がるのかは誰にもわかりません。
自分の想定通りの値動きとはならない場合はたくさんあるものです。
ポジションを建てた方向と反対方向へ値が動いた場合は、エントリーと同時に仕掛ける損切りが、資金の減少を抑えてくれるようにしなければなりません。
そういったリスク管理がしっかりと出来ていれば、ブレイクアウト戦略を有効に機能させることが可能になります。
「1回のトレードでいくらの利益を得るか、いくらの損をするか」という目先の損得勘定ばかりに左右されていては、投資で利益を得ることは難しいです。
1回ごとのトレードは局地戦のようなものと考えて、いかに資金を温存しながら戦うかを考えなければいけないのが勝ち続けるためのトレードです。
長い目で見て利益を上げることが重要だということです。
特に多くの初心者は、1回毎のトレードそのものが世紀の大決戦のような感覚で資金を使い過ぎてしまう傾向にあります。
何となく目先の利益を得られたとしても、それと同じトレードを連続して再現させるということは非常に難しいのです。
だからまずはトータルで勝てるように、正しい資金管理と相場分析力を身に付けて頂くことを、常に意識をして日々のトレードと向き合うようにしてください。
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