大局観は意識していますか?
相場の大局観とは、簡単に言えば大きな値動きの流れを読むことです。
たとえば、川上からの川の流れと、川下の川の流れをイメージしてみてください。川上から川下へと向かって水は流れるものです。ですが、川下から川上に向かって水が流れることはあり得ません。
相場も川の流れと同じです。大きな視点で見た時の値動きの方向観というものがあります。これがいわゆる相場の大局観と呼ばれるものです。
では、大局観に逆らうと100%負けちゃうのはなぜなのでしょうか?
そのことについて、この記事では具体的な数字を交えながら説明していきます。
BIS(国際決済銀行)の2022年4月のデータによれば… 世界の外国為替市場の1日あたりの取引額は、約7兆5,084億ドルと推計されています。この取引額は、どれだけ巨額なものなのでしょうか?
まず普通の人であれば、約7兆5,084億ドルと言われても、その額がどれほど大きな額なのかは理解できないはずです。もちろん、僕自身も想像がつかない金額です。なので、この金額をイメージしやすいように整理します。
約7兆5,084億ドルという金額は、日本円のレートを150円に設定して換算すると、こういう計算になります。
7,508,400,000,000ドル × 150.000円 = 1,126,260,000,000,000円
この数字をただパッと見ただけでは、いくらなのか分かりません・・・ この金額は、1126兆2600億円という金額になります。この巨額が一日で取引されているのが外国為替市場です。
たとえば、日本の自動車では、レクサスは高級ブランドです。そのレクサスの中でも、いちばん高級なグレードはLSというシリーズですが、サイトを確認してみたところ、LS500h “EXECUTIVE” 2WDという車種は、1,710万円という販売価格になっていました。
なので、この車なら、一日の為替取引額では65,863台を買えることになります。でも、あまりにも想像がつかないので、プライベートジェット機の値段を調べてみました。どうやら、プライベートジェット機を買うためには、65億円から80億円が相場だそうです。
なので、仮に80億円だとして何台買えるのかを計算してみましたが、一日の為替取引額では80億円のプライベートジェット機を140,783機も買えることになります。まさに、外国為替市場は想像を絶するような巨大市場だということが分かりますね。
ちなみに、株式相場の東京証券取引所の1日の売買代金は、2022年度の平均では約3兆円とのことでした。ですから、外国為替市場と東京証券取引所の1日の取引額を比較すると、1126兆2600億円 ÷ 3兆円ですから、東京証券取引所の375.42倍の規模です。
株式市場は土日は休場です。なので、一年の稼働日数は245日くらいなので、東京証券取引所の約1年5か月分の取引額が、外国為替市場ではたったの1日だけで取引が行われているという事になります。
そんな巨大な金額と比べたら、我々のような個人投資家の取引額なんて小さすぎて、蚊に刺されるよりも、もっとずっと影響が小さなものになりますね。
だからこそ、大きな値動きの流れに逆らうような仕掛けは控えなければなりません。
FXで大局観に逆らうと100%負けちゃう理由が、以上述べたことにあるのです。多勢に無勢という言葉がありますが、まさにその通りです。大きな金額の流れに対して、我々のような少数派が対抗しようとしても、勝つことが難しいことは言うまでもないことです。
つまり、我々がすべきことは明白です。常に大局観を意識する。そして、その大局観に逆らうようなポジションは建てない。そのことを徹底するだけでも、負ける確率を大きく下げることができるはずです。この記事があなたの参考になれば嬉しいです。